SH4846 FTC、AI音声クローンを用いたなりすまし詐欺の増加に対応すべく、政府・企業のなりすましに加えて、個人のなりすましを禁止対象とすべく、パブリックコメント募集を開始 中崎尚(2024/03/08)

取引法務個人情報保護法

FTC、AI音声クローンを用いたなりすまし詐欺の増加に対応すべく、政府・企業のなりすましに加えて、個人のなりすましを禁止対象とすべく、パブリックコメント募集を開始

アンダーソン・毛利・友常法律事務所*

弁護士 中 崎   尚

 

1 はじめに

 2023年、米国内ではなりすまし詐欺が、件数金額ともに急増しており、生成AIによるディープフェイク動画や音声が、誰でも簡単に使えるようになったことがその一因と指摘されている。米国連邦取引委員会(FTC)は、この状況に対処すべく、政府・企業(またはその関係者・代理人)になりすますことを禁止する新規則を最終決定するとともに、個人になりすますことも禁止対象とする方針を示し、パブリックコメントの募集を開始した。本記事では、このような状況に至った経緯、新規則のポイントを紹介する。

 

2 米国内のなりすまし詐欺の増加

 

図表 米国内の2023年の詐欺被害の状況[1]

出典:「As Nationwide Fraud Losses Top $10 Billion in 2023, FTC Steps Up Efforts to Protect the Public」

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(なかざき・たかし)

アンダーソン・毛利・友常法律事務所スペシャルカウンセル。東京大学法学部卒、2001年弁護士登録(54期)、2008年米国Columbia University School of Law (LL.M.)修了、2009年夏まで米国ワシントンD.C.のArnold & Porter法律事務所に勤務。復帰後は、インターネット・IT・システム関連を中心に、知的財産権法、クロスボーダー取引を幅広く取扱う。日本国際知的財産保護協会編集委員、経産省おもてなしプラットフォーム研究会委員、経産省AI社会実装アーキテクチャー検討会作業部会構成員、経産省IoTデータ流通促進研究会委員、経産省AI・データの利用に関する契約ガイドライン検討会委員、International Association of Privacy Professionals (IAPP) Co-Chairを歴任。2022年より内閣府メタバース官民連携会議委員。

 

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