SH5106 広告表示・勧誘規制に関する試論(再考)――事業規制手法の多様化と(行政)法理論の観点から 第2回 広告表示・勧誘規制:総論(その1)――従来の議論 酒井俊和(2024/09/20)

取引法務業法・規制法対応表示・広告規制

広告表示・勧誘規制に関する試論(再考)
―事業規制手法の多様化と(行政)法理論の観点から―
第2回 広告表示・勧誘規制:総論(その1)――従来の議論

弁護士法人キャストグローバル

弁護士 酒 井 俊 和

 

【第2回】 広告表示・勧誘規制:総論(その1)――従来の議論

【目次】

1 広告表示・勧誘規制――はじめに
 ⑴ 本稿の目的
 ⑵ 広告表示規制とは?
 ⑶ 勧誘規制とは? ――金融法の観点も踏まえて
 ⑷ 広告表示・勧誘規制という(広義の)視点――行政法の観点も踏まえて
 ⑸ 本稿の構成

[ここまで第1回]

2 広告表示・勧誘規制:総論(その1)――従来の議論

 ⑴ 広告表示規制に関する従来の文献

 ⑵ 広告表示規制全体の体系・類型
  (a) 従来の書籍・文献:総論
  (b) 従来の書籍・文献:各論①
  (c) 従来の書籍・文献:各論②
  (d) 従来の書籍・文献のまとめ:類型・視点別

 

2 広告表示・勧誘規制:総論(その1)――従来の議論

 ⑴ 広告表示規制に関する従来の文献

 広告表示規制に関する従来の文献には、大きく分けて、(a) 個別法令・テーマに関するもの(不当景品類及び不当表示防止法(以下「景表法」という。)、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(以下「独禁法」という。)、消費者契約法、不正競争防止法など)と、(b) 広告表示規制全体を体系化・類型化したものの二種類が存在する。

 本稿は広告表示・勧誘規制を横断的に検討することを目的とするため、ここでは上記(b)の広告表示規制全体を体系化・類型化したものを取り上げる。

 

⑵ 広告表示規制全体の体系・類型

(a) 従来の書籍・文献:総論

 広告表示規制が非常に広範な法令や内容を含みうることの関係もあり、広告表示規制を横断的・体系的に検討した文献は、実はそれほど多くはない。

 下記は、広告表示規制を横断的・体系的に検討した文献の全てを網羅したものではないものの、その主要なものをリストアップしたものである。[1] 

  • 伊従寛=矢部丈太郎編『広告表示規制法』(青林書院、2009)
  • 波光巖ほか『Q&A 広告宣伝・景品表示に関する法律と実務――景品表示法及び消費者関係法を踏まえた広告表現と販促活動・キャンペーンに関する実務解説』(日本加除出版、2020)
  • 岡田米蔵=梁瀬和男『広告法規』(商事法務、1993)
  • 株式会社電通 法務マネジメント局編『広告法』(商事法務、2017)
  • 結城哲彦編著『広告表示の法的規制と実務対応Q&A』(中央経済社、2019)
  • 豊田彰『広告の表現と法規』(電通、1980)
  • 木川和弘ほか編著『基礎からわかる 広告・マーケティングの法律』(中央経済社、2020)

 本稿では、上記にリストアップした各書籍につき、その概要をまとめた上、その特徴比較という観点から内容を検討する。なお、本稿の目的や関連性との関係により、各書籍の概要や検討に当てる紙面の量は一定ではないが、これは各書籍の一般的・客観的評価を示すものでない点に留意されたい。 

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(さかい・としかず)

1999年弁護士登録。株式会社東京三菱銀行など複数の国内・外資系の金融機関に出向。金融規制及びコンプライアンス全般、ストラクチャード・ファイナンス、バンキング、信託、アセット・マネジメントなどを専門とする。横浜国立大学大学院国際経済法学研究科卒業。
著作物は『ファイナンス法――金融法の基礎と先端金融取引のエッセンス』(商事法務、2016)など。講演は「パネルディスカッション『世界と国内の規制の最新事情:日本と世界が抱える新たな課題』」(金融規制ジャパン・サミット2017)、「Harmonization of Capital Market」(第54回AIJAミュンヘン国際会議)など。

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