人的資本経営の実践と情報開示の実務対応
第23回:人的資本の可視化の全体像
日比谷タックス&ロー弁護士法人
弁護士 堀 田 陽 平
第3部 人的資本の可視化
第23回:人的資本の可視化の全体像
【今回の狙い】 今回は、これから人的資本の可視化の解説を進めて行くにあたって、まず人的資本情報の開示の全体像について整理いたします。
【今回の主なターゲット】
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1 はじめに
前回まで、人的資本経営の実践について解説してきました。
今回からは、人的本経営の実践の内容を、いかに資本市場・労働市場に開示していくいかという「人的資本の可視化」について解説していきます。
2 人的資本政策の全体像(おさらい)
さて、具体的な中身に入っていく前に、これまで繰り返し述べてきたところではありますが、人的資本政策の全体像について、改めて整理しておきましょう。
本連載第3回での解説したとおり、人的資本政策は、「人的資本経営の実践」と「人的資本の可視化」を車の両輪として進めて行くことを想定しています。
そして、特に、「人的資本の可視化」は、「人的資本経営の実践」について、資本市場や労働市場との対話を通じて、これをよりブラッシュアップするための手段として位置付けられています。
出典:内閣官房、非財務情報可視化研究会「人的資本可視化指針」(2022年8月)2頁
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(ほった・ようへい)
2016年弁護士登録(第69期。第二東京弁護士会)。2017年鳥飼総合法律事務所入所。
2018年7月現在の事務所へ移籍。2018年10月から経済産業省経済産業政策局産業人材政策室(当時。現在は「課」)に任期付き職員として着任。
経済産業省では、兼業・副業の推進、テレワークの推進、フリーランス政策等の柔軟な働き方に関する政策立案や、人材版伊藤レポートの策定等の人的資本経営の推進に関する政策立案等に従事。経済産業省から帰任後も人的資本経営の実践・開示に関するセミナーや寄稿を行う。