SH4912 タイ:個人データの域外移転に係る下位規則の制定(上) 佐々木将平(2024/05/07)

取引法務個人情報保護法

タイ:個人データの域外移転に係る下位規則の制定(上)

長島・大野・常松法律事務所

弁護士 佐々木 将 平

 

1 はじめに

 タイの個人情報保護法(以下「PDPA」という。)には、データ管理者が個人データを国外の受領者に移転する(いわゆる域外移転)方法がいくつか規定されているが、その具体的内容の多くは、下位規則に委ねられていた。2023年12月25日に個人データの域外移転に関して二つの下位規則(以下、個別にまたは総称して「本下位規則」という。)が制定された。域外移転に関する下位規則の草案は2022年9月に一度公表され、パブリックヒアリングに諮られた後、進展がなかったが(内容の大幅な変更と共に)今般ようやく制定に至った。本下位規則は、2024年3月24日に施行されている。タイの日系現地法人においては、自ら取得した個人データを親会社である日本・シンガポール等に移転する場合が想定され、実務上の意義が大きいと考えられるため、本稿ではその概要を説明する。

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(ささき・しょうへい)

長島・大野・常松法律事務所バンコクオフィス代表。2005年東京大学法学部卒業。2011年 University of Southern California Gould School of Law 卒業(LL.M.)。2011年9月からの約2年半にわたるサイアムプレミアインターナショナル法律事務所(バンコク)への出向経験を生かし、日本企業のタイ進出及びM&Aのサポートのほか、在タイ日系企業の企業法務全般にわたる支援を行っている。タイの周辺国における投資案件に関する助言も手掛けている。

 

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