SH4947 人的資本経営の実践と情報開示の実務対応 第24回:人的資本情報の可視化の方法・内容(何に、何を開示すべきか)(その1) 堀田陽平(2024/05/27)

組織法務ディスクロージャー経営・コーポレートガバナンス

人的資本経営の実践と情報開示の実務対応
第24回:人的資本情報の可視化の方法・内容 (何に、何を開示すべきか) (その1)

日比谷タックス&ロー弁護士法人

弁護士 堀 田 陽 平

 

第3部 人的資本の可視化
 第24回 人的資本情報の可視化の方法・内容 (何に、何を開示すべきか) (その1)

【今回の狙い】

 今回は、人的資本情報の可視化の具体的な内容に入る前に、そもそも、どのような開示媒体に、何を開示することが求められているかについて解説します。

 

【今回の主なターゲット】

  • 取締役会、取締役会事務局
  • 経営戦略部門
  • IR部門

 

1 はじめに

 前回から、人的資本情報の可視化についての解説が始まりました。

 前回は、人的資本政策全体の狙いのおさらいと、人的資本可視化指針が求めていることについて解説しました。

 今回は、人的資本可視化指針の構成順ではないですが、人的資本の可視化として、どういう開示媒体に、何を開示することが求められているかについて解説します。

 

2 開示媒体は大きく2パターン

 人的資本可視化指針では、人的資本の可視化として、①有価証券報告書やコーポレートガバナンス報告書といった、法令、取引所ルールとの関係で開示しなければならないものの他、②統合報告書やサスティナビリティレポート等のように、開示が法令等によって強制されるわけではないものの、任意に開示することが望ましいもの、の2パターンを挙げています。なお、①にコーポレートガバナンス報告書が入っているのは、既に第9回等で解説したとおり、人材版伊藤レポートの一つのアウトプットとして、2021年6月のコーポレートガバナンス・コード改訂で「人的資本」に関する記載が追加されたことによります。

 上記のうち、①は、法令、ルール上求められるので、対象となる企業において開示が求められるのは当然ですが、②の任意開示についても、①の法定開示書類、特に有価証券報告書と「整合的かつ補完的な形で人的資本への投資や人材戦略、関連する目標・指標を積極的に 開示し、さまざまなステークホルダーへの発信と対話の機会として戦略的に活用していくことが重要」とされています。

 任意開示書類にはさまざまな種類がありますが、人的資本可視化指針では、それぞれの種類と位置づけのイメージとして、以下のような図が示されていますので、これを参考にし、有価証券報告書と併せた任意開示を積極的に行うとよいでしょう。

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(ほった・ようへい)

2016年弁護士登録(第69期。第二東京弁護士会)。2017年鳥飼総合法律事務所入所。
2018年7月現在の事務所へ移籍。2018年10月から経済産業省経済産業政策局産業人材政策室(当時。現在は「課」)に任期付き職員として着任。
経済産業省では、兼業・副業の推進、テレワークの推進、フリーランス政策等の柔軟な働き方に関する政策立案や、人材版伊藤レポートの策定等の人的資本経営の推進に関する政策立案等に従事。経済産業省から帰任後も人的資本経営の実践・開示に関するセミナーや寄稿を行う。

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