プロバイダ責任制限法の改正による
大規模プラットフォーム事業者に対する規制
アンダーソン・毛利・友常法律事務所*
弁護士 井 上 乾 介
弁護士 並 木 重 伸
弁護士 前 田 康 熙
1 はじめに
「特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律」(「旧プロバイダ責任制限法」)の一部を改正する法律が2024年5月10日に成立し、同月17日に公布された(令和6年法律25号)。
旧プロバイダ責任制限法の既存の枠組みを維持したうえで、インターネット上の権利侵害情報に関して、大規模プラットフォーム事業者を対象とする規制が新たに導入されることになる。
これにともない、法律の名称も「特定電気通信による情報の流通によって発生する権利侵害等への対処に関する法律」(略称「情報流通プラットフォーム対処法」)に変更される。
本稿では、改正により導入された規制の内容について解説する。
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(いのうえ・けんすけ)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業 スペシャル・カウンセル。2004年一橋大学法学部卒業。2007年慶応義塾大学法科大学院卒業。2008年弁護士登録(東京弁護士会)。2016年カリフォルニア大学バークレー校・ロースクール(LLM)修了。2017年カリフォルニア州弁護士登録。著作権法をはじめとする知的財産法、個人情報保護法をはじめとする各国データ保護法を専門とする。
(なみき・しげのぶ)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所アソシエイト(弁護士、ニューヨーク州弁護士、カリフォルニア州弁護士)。2012年東京大学法科大学院卒業。2020年カリフォルニア大学バークレー校ロースクール修了。個人情報・データ保護、紛争解決、知財、IT等を取り扱う。
(まえだ・こうき)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所アソシエイト。2020年東京大学法学部卒業。2022年東京大学法科大学院卒業。2023年弁護士登録(第一東京弁護士会)。
アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業 https://www.amt-law.com/
<事務所概要>
アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業は、日本における本格的国際法律事務所の草分け的存在からスタートして現在に至る、総合法律事務所である。コーポレート・M&A、ファイナンス、キャピタル・マーケッツ、知的財産、労働、紛争解決、事業再生等、企業活動に関連するあらゆる分野に関して、豊富な実績を有する数多くの専門家を擁している。国内では東京、大阪、名古屋に拠点を有し、海外では北京、上海、香港、シンガポール、ホーチミン、バンコク、ジャカルタ等のアジア諸国に拠点を有する。
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