SH3814 法務省、法制審議会仲裁法制部会による仲裁法の改正に関する要綱案を公表 井上葵/早川晃司(2021/11/02)

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法務省、法制審議会仲裁法制部会による仲裁法の改正に関する要綱案を公表

アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業

弁護士 井 上   葵

弁護士 早 川 晃 司

 

1 本要綱案の背景

 法制審議会仲裁法制部会(以下「本部会」という。)は、2021年10月8日に開催された第13回会議において、「仲裁法の改正に関する要綱案」(以下「本要綱案」という。)をとりまとめ、法務省はこれを公表した。本要綱案は、同年3月5日に公表された「仲裁法等の改正に関する中間試案」(以下「中間試案」という。)[1]を基に、意見募集(パブリック・コメント)の手続によって寄せられた意見や、それを踏まえた本部会におけるさらなる検討を経て作成されたものである。本要綱案は、同年10月21日に開催された法制審議会総会で原案通り採択され、同日、法務大臣に答申されている。

 本要綱案では、以下の規律に関して具体的な改正案を提示していることから、それぞれの内容につき、中間試案からの変更点を踏まえつつ、主要なポイントを概説する。

 

  • 仲裁廷による暫定保全措置に関する規律
  • 仲裁合意の書面性に関する規律
  • 仲裁関係事件手続に関する規律

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(いのうえ・あおい)

アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業パートナー。2001年東京大学法学部卒業。2004年弁護士登録(第二東京弁護士会)。2010年コロンビア・ロースクール(LLM)修了、2011年ニューヨーク州弁護士登録。訴訟・仲裁その他の紛争解決案件を主要な業務分野とする。同事務所の国際仲裁チーム共同代表として、ICC、JCAA、SIAC、HKIAC、VIAC、UNCITRAL等の規則による多数の国際仲裁事件において国内外の企業の代理人を務める。

 

(はやかわ・こうじ)

アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業アソシエイト。2011年東京大学法学部卒業。2013年東京大学法科大学院修了。2014年弁護士登録(東京弁護士会)。2020年Queen Mary University of London(LLM)修了。訴訟・仲裁その他の紛争解決案件を主要な業務分野とする。英国等での留学・研修経験を活かし、専門性の高い海事・物流案件も取り扱っている。

 

アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業 https://www.amt-law.com/

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