SH5016 金融庁、「損害保険業の構造的課題と競争のあり方に関する有識者会議」 報告書の公表 若狭一行(2024/07/16)

取引法務業法・規制法対応

金融庁、「損害保険業の構造的課題と競争のあり方に関する有識者会議」 報告書の公表

アンダーソン・毛利・友常法律事務所*

弁護士  若 狭 一 行

 

1 はじめに

 金融庁は、損害保険業界をめぐる昨今の不祥事を受け、関係する保険会社や代理店に対し、業務改善命令等の行政対応を行った。

 保険金不正請求事案[1]においては、関係する保険代理店に対して損害保険代理店としての登録を取り消す旨の行政処分がなされており、大手損害保険会社のうち、当該保険代理店に対する対応[2]が問題視された損害保険会社とその保険持株会社に対して業務改善命令が発出されている。保険料調整行為事案[3]においては、大手損害保険会社4社に対して業務改善命令が発出されている。

 本年3月から6月にかけて開催された「損害保険業の構造的課題と競争のあり方に関する有識者会議」(以下「有識者会議」という。)においては、これらの事案に関する一連の行政対応等において認識した構造的課題につき、①損害保険会社や保険代理店に対し、顧客本位の業務運営を徹底させる、②わが国の保険市場に健全な競争環境を実現する観点から、主に制度・監督上の論点について議論がなされており、本報告書[4]は有識者会議における議論を取り纏めたものである。

 本稿では本報告書の概要を紹介するが、意見にわたる部分は筆者の私見であり、過去に筆者が所属していた組織や、現在所属する事務所の見解ではないことに留意されたい。

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(わかさ・かずゆき)

アンダーソン・毛利・友常法律事務所スペシャル・カウンセル。2002年東京大学法学部卒業。2003年弁護士登録(第一東京弁護士会)。2010年ハーバード・ロースクール(LLM)修了。2011年ニューヨーク州弁護士登録。日本保険学会所属。保険会社(資産運用部門、法務部門、コンプライアンス部門等)に対して法的助言を提供しており、平成26年の保険業法改正時には、改正への対応に関して保険代理店にも法的助言を提供している。

 

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