SH5024 金融庁、「公開買付開示ガイドライン(案)」を公表 飛岡和明/中川雄介(2024/07/22)

組織法務M&A・組織再編(買収防衛含む)

金融庁、「公開買付開示ガイドライン(案)」を公表

アンダーソン・毛利・友常法律事務所*

弁護士  飛 岡 和 明

弁護士 中 川 雄 介

 

1 はじめに

 金融庁は、2024年6月28日、「公開買付けの開示に関する留意事項について(公開買付開示ガイドライン)(案)」(以下「本ガイドライン案」という。)を公表した[1]

 公開買付者が公開買付けを実施するに当たり提出を要する公開買付届出書等の開示書類については、実務上、その提出前に、提出先である関東財務局に対して事前相談を実施し、その審査(記載内容等に関する指導)を経た上でこれを提出する運用が定着している。もっとも、当該運用や審査・指導の指針については、従前、公にはされておらず、その点の明確化を求める声も存在した[2]

 本ガイドライン案は、金融庁が、公開買付届出書等の審査を行う関東財務局に対し、審査に当たっての留意事項を示すとともに、法令上記載が求められる開示事項等について考え方を示すものである。

 本ガイドライン案の確定後には、関東財務局による審査も、改めてこれに沿った形で実施されるものと見込まれる。本ガイドライン案は、公開買付者や対象者を始めとする公開買付けの関係当事者において、公開買付届出書等の開示書類を作成する上で参照することが必要なものとなり、今後の公開買付けの実務にも大きな影響を及ぼすと考えられることから、本稿ではその概要を紹介する。

この記事はプレミアム向け有料記事です
続きはログインしてご覧ください


(とびおか・かずあき)

アンダーソン・毛利・友常法律事務所パートナー。2006年東京大学法学部卒業。2007年弁護士登録(第二東京弁護士会)。2013年米国University of Chicago(LLM)修了。2014年ニューヨーク州弁護士登録。M&Aを中心として、企業法務全般を取り扱っており、特にTOB・MBO、プライベート・エクイティ投資について豊富な経験を有している。

 

(なかがわ・ゆうすけ)


アンダーソン・毛利・友常法律事務所アソシエイト。2013年北海道大学法学部卒業。2015年東京大学法科大学院卒業。2017年弁護士登録(東京弁護士会)。2019年7月~2020年9月国内大手証券会社M&Aアドバイザリー部門勤務。2021年11月~2024年6月金融庁企画市場局企業開示課勤務(TOB・大量保有報告担当)。

 

 

アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業 https://www.amt-law.com/

<事務所概要>
アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業は、日本における本格的国際法律事務所の草分け的存在からスタートして現在に至る、総合法律事務所である。コーポレート・M&A、ファイナンス、キャピタル・マーケッツ、知的財産、労働、紛争解決、事業再生等、企業活動に関連するあらゆる分野に関して、豊富な実績を有する数多くの専門家を擁している。国内では東京、大阪、名古屋に拠点を有し、海外では北京、上海、香港、シンガポール、ホーチミン、バンコク、ジャカルタ等のアジア諸国に拠点を有する。

<連絡先>
〒100-8136 東京都千代田区大手町1-1-1 大手町パークビルディング


* 「アンダーソン・毛利・友常法律事務所」は、アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業および弁護士法人アンダーソン・毛利・友常法律事務所を含むグループの総称として使用

タイトルとURLをコピーしました