SH5183 経済産業省・環境省、第5回GX実現に向けた排出量取引制度の検討に資する法的課題研究会を実施 宮川賢司/香川遼太郎/栗田悠大(2024/11/08)

組織法務サステナビリティ

経済産業省・環境省、第5回GX実現に向けた排出量取引制度の検討に資する法的課題研究会を実施

アンダーソン・毛利・友常法律事務所*

弁護士 宮 川 賢 司 

弁護士 香 川 遼太郎

弁護士 栗 田 悠 大

 

1 はじめに

 経済産業省および環境省は、2024年10月18日、GX実現に向けた排出量取引制度の検討に資する法的課題研究会(以下「本研究会」という。)の第5回を開催した。

 日本版排出量取引制度であるGXリーグは、第1フェーズ(2023年度~2025年度まで)においては参加義務を負わないボランタリーな制度として稼働しているが、第2フェーズ(2026年度~2032年度頃まで)においては、温室効果ガス(以下「GHG」という。)多排出企業に対するGHG排出総量規制を含む義務的な排出量取引制度(以下、このような義務的な排出量取引制度を単に「排出量取引制度」という。)の導入可能性が検討されている。

 本研究会は、上記のようなGXリーグ第2フェーズの詳細設計に先立って、詳細設計の前提となる法的課題を整理することを目的として設置された。これまで、計4回にわたって本研究会が開催され[1]、5回目となる今回、従前の議論を踏まえて事務局より「GX実現に資する排出量取引制度の法的課題とその考え方についての報告書(案)」[2](以下「本報告書案」という。)が示された。

 本稿では、本報告書案の内容および本研究会(第5回)における議論を概説する。

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(みやがわ けんじ)


アンダーソン・毛利・友常法律事務所スペシャル・カウンセル弁護士。1997年慶應義塾大学法学部卒業。2000年弁護士登録(第二東京弁護士会)。2004年ロンドン大学(University College London)ロースクール(LL.M.)修了。2019年から慶應義塾大学非常勤講師(Legal Presentation and Negotiation)。国内外の金融取引、不動産取引、気候変動関連法務および電子署名等のデジタルトランスフォーメーション関連法務を専門とする。

 

(かがわ・りょうたろう)


アンダーソン・毛利・友常法律事務所アソシエイト。早稲田大学法学部卒業。2022年弁護士登録(東京弁護士会)。執筆として「非化石証書の制度と実務」(NBL2023年11月1日号)等。

 

(くりた・ゆうだい)


アンダーソン・毛利・友常法律事務所アソシエイト。東京大学法学部卒業。2023年弁護士登録(第一東京弁護士会)。

 

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