SH5239 金融庁、カーボン・クレジット取引に関する金融インフラのあり方等に係る検討会(第3回)を実施 宮川賢司/香川遼太郎/大島考雄(2024/12/11)

組織法務サステナビリティ

金融庁、カーボン・クレジット取引に関する金融インフラのあり方等に係る検討会(第3回)を実施

アンダーソン・毛利・友常法律事務所*

弁護士 宮 川 賢 司
弁護士 香 川 遼太郎
弁護士 大 島 考 雄

 

1 はじめに

 金融庁は、2024年11月19日、カーボン・クレジット取引に関する金融インフラのあり方等に係る検討会(第3回)(以下「本検討会(第3回)」という。)を開催した[1]

 2015年のパリ協定採択以降、気候変動対策が世界的な規模で推進され、それに伴いカーボン・クレジットの取引も拡大をしてきた。特に、制定法に基づく制度ではないボランタリー・カーボン・クレジット(以下「VCC」という。)については、証券監督者国際機構(IOSCO)から取引慣行が確立していないことを理由に種々のリスクが存在することが指摘されており、取引の透明性・健全性の向上が急務となっている。そのような中で、VCCを含むカーボン・クレジットに関する取引インフラと市場慣行のあり方について初期的な論点を議論していくことを目的として本検討会が設置され、すでに2024年6月10日に第1回(以下「本検討会(第1回)」という)、同年9月10日に第2回(以下「本検討会(第2回)」)が開催されている[2][3]

 本稿では、本検討会(第2回)の議論の状況を概観した上で、本検討会(第3回)の論点について紹介する[4]

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(みやがわ けんじ)


アンダーソン・毛利・友常法律事務所スペシャル・カウンセル弁護士。1997年慶應義塾大学法学部卒業。2000年弁護士登録(第二東京弁護士会)。2004年ロンドン大学(University College London)ロースクール(LL.M.)修了。2019年から慶應義塾大学非常勤講師(Legal Presentation and Negotiation)。国内外の金融取引、不動産取引、気候変動関連法務および電子署名等のデジタルトランスフォーメーション関連法務を専門とする。

 

(かがわ・りょうたろう)


アンダーソン・毛利・友常法律事務所アソシエイト。早稲田大学法学部卒業。2022年弁護士登録(東京弁護士会)。執筆として「非化石証書の制度と実務」(NBL2023年11月1日号)等。

 

(おおしま・たかお)


アンダーソン・毛利・友常法律事務所アソシエイト。2022年慶応義塾大学法学部法律学科卒業。2023年弁護士登録(第一東京弁護士会)。

 

アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業 https://www.amt-law.com/

<事務所概要>
アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業は、日本における本格的国際法律事務所の草分け的存在からスタートして現在に至る、総合法律事務所である。コーポレート・M&A、ファイナンス、キャピタル・マーケッツ、知的財産、労働、紛争解決、事業再生等、企業活動に関連するあらゆる分野に関して、豊富な実績を有する数多くの専門家を擁している。国内では東京、大阪、名古屋に拠点を有し、海外では北京、上海、香港、シンガポール、ハノイ、ホーチミン、バンコク、ジャカルタ等のアジア諸国およびロンドン、ブリュッセルに拠点を有する。

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* 「アンダーソン・毛利・友常法律事務所」は、アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業および弁護士法人アンダーソン・毛利・友常法律事務所を含むグループの総称として使用

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