「個人情報保護法 いわゆる3年ごと見直しに係る検討」の今後の検討の進め方および個人データ等の取扱いにおける本人関与に係る規律の在り方の公表
アンダーソン・毛利・友常法律事務所*
弁護士 後 藤 未 来
弁護士 西 村 順一郎
1 はじめに
従前より、個人情報の保護に関する法律(以下「個人情報保護法」または「法」という。)のいわゆる「3年ごと見直し」に関する議論が個人情報保護委員会(以下「委員会」という。)において進められてきた。2024年6月27日には、「個人情報保護法 いわゆる3年ごと見直しに係る検討の中間整理」[1](以下「中間整理」という。)が公表された。同年7月24日には、個人情報保護法のいわゆる3年ごと見直しに関する検討会(以下「検討会」という。)が設置され、課徴金制度、団体による差止請求制度および被害回復制度、ならびにその他検討会における議論の状況等を踏まえ必要と考えられる事項を検討事項として、議論が重ねられた結果、同年12月25日の委員会で内容の確定および公表がなされ、「個人情報保護法のいわゆる3年ごと見直しに関する検討会報告書」[2](以下「報告書」という。)が公表された。
検討会と並行して、委員会内部でも議論が重ねられ、同年10月16日には、「個人情報保護法のいわゆる3年ごと見直しの検討の充実に向けた視点」[3](以下「視点」という。)が公表され、同年12月17日には、委員会事務局において、有識者および経済団体・消費者団体等に対して行われたヒアリング(以下「事務局ヒアリング」という。)の概要が公表された。
本稿では、従前の議論を受け、2025年1月22日に公開された「『個人情報保護法いわゆる3年ごと見直しに係る検討』の今後の検討の進め方について」[4](以下「今後の検討の進め方(1月)」という。)および同年2月5日に公表された「個人情報保護法の制度的課題に対する考え方について(個人データ等の取扱いにおける本人関与に係る規律の在り方)」[5](以下「本文書」という。)について概説する。
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(ごとう・みき)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所パートナー、弁護士・ニューヨーク州弁護士。理学・工学のバックグラウンドを有し、知的財産や各種テクノロジー(IT、データ、エレクトロニクス、ヘルスケア等)、ゲーム等のエンタテインメントに関わる案件を幅広く取り扱っている。ALB Asia Super 50 TMT Lawyers(2021、2022)、Chambers Global(IP分野)ほか選出多数。AIPPIトレードシークレット常設委員会副議長、日本ライセンス協会理事。
(にしむら・じゅんいちろう)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所アソシエイト。2016年東京大学法学部卒業。2018年東京大学法科大学院卒業。2019年弁護士登録(第二東京弁護士会)。主な取扱い分野は、知的財産法、個人情報保護法。2022年9月から2024年3月まで個人情報保護委員会事務局に出向。官民を問わず個人情報の取扱いにかかるルールの策定等に携わる。
アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業 https://www.amt-law.com/
<事務所概要>
アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業は、日本における本格的国際法律事務所の草分け的存在からスタートして現在に至る、総合法律事務所である。コーポレート・M&A、ファイナンス、キャピタル・マーケッツ、知的財産、労働、紛争解決、事業再生等、企業活動に関連するあらゆる分野に関して、豊富な実績を有する数多くの専門家を擁している。国内では東京、大阪、名古屋に拠点を有し、海外では北京、上海、香港、シンガポール、ハノイ、ホーチミン、バンコク、ジャカルタ等のアジア諸国およびロンドン、ブリュッセルに拠点を有する。
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