個人情報保護委員会による補完的ルールの改正案(続報)
(EU等から十分性認定により移転された個人データの仮名加工情報の取扱い)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所*
弁護士 後 藤 未 来
弁護士 伊 藤 雄 太
1 はじめに
筆者らの別稿[1]で紹介したとおり、いわゆる十分性認定によりEUや英国域内から日本に移転される個人データに関し、未解決事項であった「仮名加工情報」の取扱いにかかる改正案(下記参照。以下「本改正案」という。)が公表され、意見募集に付されていた(2022年12月23日から2023年1月27日まで)。今般、この意見募集の結果と各意見に対する個人情報保護委員会の見解が公表されるとともに、本改正案は原案どおりに決定されることとなった[2]。
EUまたは英国域内から十分性認定に基づき提供を受けた個人情報を加工して得られた仮名加工情報は、法第41 条に基づき取り扱われることとする。加えて、当該仮名加工情報は統計目的のためにのみ取り扱われることとする。この場合、統計目的とは、統計調査のためまたはその他の統計結果を作成するためのあらゆる処理を意味し、それにより作成された統計結果は集計データであり、特定の個人に関する措置または決定を裏付けるために利用してはならない。 |
本稿では、上記の意見募集の結果とこれに対する個人情報保護委員会の見解のうち、実務運用等の面で比較的重要と思われる内容について紹介する。
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(ごとう・みき)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所パートナー、弁護士・ニューヨーク州弁護士。理学・工学のバックグラウンドを有し、知的財産や各種テクノロジー(IT、データ、エレクトロニクス、ヘルスケア等)、ゲーム等のエンタテインメントに関わる案件を幅広く取り扱っている。ALB Asia Super 50 TMT Lawyers(2021、2022)、Chambers Global(IP分野)ほか選出多数。AIPPIトレードシークレット常設委員会副議長、日本ライセンス協会理事。
(いとう・ゆうた)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所アソシエイト。2017年東京大学法学部卒業。2019年東京大学法科大学院卒業。2020年弁護士登録(第一東京弁護士会)。
アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業 https://www.amt-law.com/
<事務所概要>
アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業は、日本における本格的国際法律事務所の草分け的存在からスタートして現在に至る、総合法律事務所である。コーポレート・M&A、ファイナンス、キャピタル・マーケッツ、知的財産、労働、紛争解決、事業再生等、企業活動に関連するあらゆる分野に関して、豊富な実績を有する数多くの専門家を擁している。国内では東京、大阪、名古屋に拠点を有し、海外では北京、上海、香港、シンガポール、ホーチミン、バンコク、ジャカルタ等のアジア諸国に拠点を有する。
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