人的資本経営の実践と情報開示の実務対応
第26回 人的資本への投資と競争力のつながりの明確化
(統合的ストーリーの構築) (その1)
日比谷タックス&ロー弁護士法人
弁護士 堀 田 陽 平
第3部 人的資本の可視化
第26回 人的資本への投資と競争力のつながりの明確化 (統合的ストーリーの構築) (その1)
【今回の狙い】 今回は、人的資本の可視化のスタートとなる「統合的ストーリ―の構築」について解説します。
【今回の主なターゲット】
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1 前回の振り返り
前々回、前回とみてきたとおり、有価証券報告書、コーポレートガバナンス・コード報告書といった法定開示書類において記載が求められる「人的資本」関連情報の内容についても、「これを書け」というものはなく、自社の事業戦略、経営戦略に即して、自主的に開示していくことが求められています。
つまりは、人的資本可視化指針が求めていることに対応していけばよいということであり、人的資本可視化指針をよく理解することが重要になります。
2 「人的資本の可視化の方法」の全体像
人的資本可視化指針では、人的資本の可視化の方法として、以下のとおりの手順を記載しています。
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(ほった・ようへい)
2016年弁護士登録(第69期。第二東京弁護士会)。2017年鳥飼総合法律事務所入所。
2018年7月現在の事務所へ移籍。2018年10月から経済産業省経済産業政策局産業人材政策室(当時。現在は「課」)に任期付き職員として着任。
経済産業省では、兼業・副業の推進、テレワークの推進、フリーランス政策等の柔軟な働き方に関する政策立案や、人材版伊藤レポートの策定等の人的資本経営の推進に関する政策立案等に従事。経済産業省から帰任後も人的資本経営の実践・開示に関するセミナーや寄稿を行う。