米司法省、「懸念国による大量の機微個人データおよび米国政府関連データへのアクセスの防止」を実施するための規則案を公表
アンダーソン・毛利・友常法律事務所*
弁護士 髙 嵜 直 子
弁護士 井 上 乾 介
弁護士 田 村 允
１ はじめに
2024年10月21日、米国司法省は、「懸念国による大量の機微個人データおよび米国政府関連データへのアクセスの防止」を実施するための規則制定案告示（以下「本規則案」という。）を公表した（Notice of Proposed Rulemaking）[1][2]。本規則案は、ロシア、イラン、中国などの米国が安全保障上の懸念を有する国（以下「懸念国」という。）への米国で収集した大量機密データの移転を制限する。規則が施行されれば、研究開発、クラウドサービスなど、米国で収集する機微個人データ等を利用する事業を行う日本企業への影響が生じうる。本稿では、本規則案の公表に至るまでの経緯および本規則案の概要を解説した上で、実務上考えられる本規則案の影響を検討する。
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（たかさき・なおこ）
アンダーソン・毛利・友常法律事務所スペシャルカウンセル。2004年東京大学法学部卒業。2006年東京大学法科大学院卒業。2007年弁護士登録（第一東京弁護士会）。2012年Stanford School of Law（LL.M.）修了。2013年ニューヨーク州弁護士登録。インドネシア及びシンガポールの大手法律事務所、経済産業省通商政策局国際経済紛争対策室への出向経験を有する。主な業務取扱分野は、WTO／国際通商法務、海外事業展開の支援等。
（いのうえ・けんすけ）
アンダーソン・毛利・友常法律事務所 スペシャル・カウンセル。2004年一橋大学法学部卒業。2007年慶応義塾大学法科大学院卒業。2008年弁護士登録（東京弁護士会）。2016年カリフォルニア大学バークレー校・ロースクール（LL.M.）修了。2017年カリフォルニア州弁護士登録。著作権法をはじめとする知的財産法、個人情報保護法をはじめとする各国データ保護法を専門とする。
（たむら・じょう）
アンダーソン・毛利・友常法律事務所アソシエイト。2020年慶應義塾大学法学部法律学科卒業。2022年パリ政治学院公共政策大学院（Master in European Affairs）・シンガポール国立大学リークアンユー公共政策大学院（MPP）修了。2023年弁護士登録（第二東京弁護士会）。
アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業 https://www.amt-law.com/
＜事務所概要＞
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