金融審議会「資金決済制度等に関するワーキング・グループ」報告について
アンダーソン・毛利・友常法律事務所*
弁護士 波多野 恵 亮
弁護士 林 敬 祐
1 はじめに
2025年1月22日、金融審議会「資金決済制度等に関するワーキング・グループ」報告(以下「本WG報告」という。)が公表された[1]。本WG報告における主な項目は以下のとおりである。
Ⅰ. 送金・決済サービス ⑴ 資金移動業 ・破綻時における利用者資金の返還方法の多様化 ⑵ 前払式支払手段の寄附への利用
Ⅱ. 暗号資産・電子決済手段(ステーブルコイン) ⑴ 暗号資産 ・暗号資産交換業者等の破綻時等の資産の国外流出防止 ⑵ 電子決済手段(ステーブルコイン) ・特定信託受益権(3号電子決済手段)の発行見合い金の管理・運用方法の柔軟化 |
以下、各項目に関る議論の概要を紹介する。
出典:「金融審議会 資金決済制度等に関するワーキング・グループ報告書 概要」
(金融庁、2025年1月22日)[2]
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(はたの・けいすけ)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所パートナー。2008年慶應義塾大学法学部卒業。2010年慶應義塾大学法科大学院卒業。2011年弁護士登録(第二東京弁護士会)。2015年7月から2017年6月まで金融庁総務企画局企画課信用制度参事官室に出向し、2016年及び2017年の2度にわたる銀行法改正(銀行業高度化等会社に関する制度、電子決済等代行業に関する制度等)及び下位法令の策定等を担当。当該経験を活かし、決済関連及び銀行グループの業務範囲関連の規制対応を特に専門分野とするほか、その他の金融規制対応やFinTech関連の幅広いリーガルアドバイスを行っている。
(はやし・けいすけ)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所アソシエイト。2011年東京大学法学部卒業。2013年東京大学法科大学院卒業。2014年弁護士登録(東京弁護士会)。2016年4月から2018年3月まで国内大手証券会社コンプライアンス部に出向。2021年コロンビア大学・ロースクール(LL.M.)修了。2022年ニューヨーク州弁護士登録。2022年8月から2024年10月まで金融庁総合政策局フィンテック参事官室に出向。資金決済法、貸金業法等のフィンテック分野において、決済・送金、ステーブルコイン、暗号資産、ファクタリングなどフィンテック分野に関するスキーム構築、当局対応、登録申請業務等に従事するほか、証券会社など伝統的金融機関の金融規制業務に従事。
アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業 https://www.amt-law.com/
<事務所概要>
アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業は、日本における本格的国際法律事務所の草分け的存在からスタートして現在に至る、総合法律事務所である。コーポレート・M&A、ファイナンス、キャピタル・マーケッツ、知的財産、労働、紛争解決、事業再生等、企業活動に関連するあらゆる分野に関して、豊富な実績を有する数多くの専門家を擁している。国内では東京、大阪、名古屋に拠点を有し、海外では北京、上海、香港、シンガポール、ハノイ、ホーチミン、バンコク、ジャカルタ等のアジア諸国およびロンドン、ブリュッセルに拠点を有する。
<連絡先>
〒100-8136 東京都千代田区大手町1-1-1 大手町パークビルディング
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