全株懇、 産業競争力強化法等の一部を改正する等の法律の施行に伴う
定款モデルおよび招集通知モデルの改正について
アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業
弁護士 齋 藤 宏 一
弁護士 川 智 美
1 はじめに
2021年6月16日に産業競争力強化法(以下「法」という。)が改正されたことに伴い、一定の要件を満たした上場会社において、「場所の定めのない株主総会」(以下「バーチャルオンリー株主総会」という。)の開催が可能になった。
バーチャルオンリー株主総会を開催するためには、定款にバーチャルオンリー株主総会が開催可能である旨を記載することが前提とされ(法66条1項)[1]、また、招集通知に一定事項を記載する必要がある(法66条2項による読替後の会社法299条4項、産業競争力強化法に基づく場所の定めのない株主総会に関する省令(以下「省令」という。)4条)。
そこで、全国株懇連合会(以下「全株懇」という。)は、2021年7月26日に、バーチャルオンリー株主総会の開催を検討する会社の参考に供するため、「定款モデル」および「招集通知モデル」を改正した(以下改正後の「定款モデル」、「招集通知モデル」をそれぞれ「改正定款モデル」、「改正招集通知モデル」という。)[2]。以下でその概要等を説明する。
2 定款モデルの改正
【補足説明】部分の「10. 第12条(招集)」に、バーチャルオンリー株主総会の開催を想定した(4)が新設された。記載例では、既存の定款モデル12条(招集)に2項を新設する形で「当会社は、株主総会を場所の定めのない株主総会とすることができる。」[3]との文言を追加している。また、株主総会の開催場所を定款に定めている場合の記載例も追加された。
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(さいとう・こういち)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業パートナー。1999年東京大学法学部卒業。2001年弁護士登録(第一東京)。2008年ハーバード・ロースクール(LLM)修了、2008-2009年ハーバード・ロースクール客員研究員。2009年ニューヨーク州弁護士登録。コーポレートガバナンス、株主総会やインセンティブ(株式)報酬制度(特にグローバルベースのもの)の設計・導入・運用に関連する数多くの企業からの相談に対応している。
(よしかわ・ともみ)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業アソシエイト。2019年大阪大学法学部卒業。2020年弁護士登録(第一東京)。
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