SH4313 電気通信事業における特定利用者情報の適正な取扱いについて 井上乾介/吉田崇裕(2023/02/14)

取引法務個人情報保護法

電気通信事業における特定利用者情報の適正な取扱いについて

アンダーソン・毛利・友常法律事務所 外国法共同事業

弁護士 井 上 乾 介

弁護士 吉 田 崇 裕

 

1 はじめに

 電気通信事業分野における個人情報の保護については、これまで、電気通信事業における個人情報保護に関するガイドライン(以下「GL」という。)[1]およびその解説(以下「GL解説」という。)[2]が実務上の指針として参照されてきた。

 近年のインターネットやスマートフォンの普及により、大量のデータの送受信が活発化している中、利用者情報の取得・収集が盛んになっている。利用者情報の活用によりサービスの利便性向上が期待される一方、通信の秘密やプライバシー保護の要請も強いところ、これらのバランスを確保しながらどのように利用者情報を取り扱うべきか、議論が進んでいる。

 そのような状況下で、2023年6月16日に施行予定の改正電気通信事業法(以下「改正法」という。)27条の5から27条の11および28条により、一定の電気通信事業者に対し、「特定利用者情報」[3]を適正に取り扱うことを求める規制(以下「特定利用者情報取扱規制」という。)が導入されることとなった。

 総務省による電気通信事業ガバナンス検討会[4]のもとに開催されている「特定利用者情報の適正な取扱いに関するワーキンググループ」(以下「WG」という。)[5]は、2023年1月31日、「特定利用者情報に係る電気通信事業における個人情報保護に関するガイドラインの解説案について」(以下「GL解説案」という。)[6]を公表した。

 GL解説案は、特定利用者情報取扱規制の概要の把握と対応の指針として有用な資料と考えられるため、本稿において紹介する。

 なお、改正法27条の12により、利用者情報の外部送信についても新たな規制が導入されたところ、特定利用者情報取扱規制との関係性は下図のとおりである。また、外部送信規制に関する詳細は、当職らが執筆した「SH4209 プラットフォームサービスにかかる利用者情報の取扱いについて――外部送信における新たな法規制 井上乾介/山田智希/吉田崇裕(2022/11/22)」[7]を参照されたい。

 

出典:WG第6回参考資料
「電気通信事業ガバナンス検討会 特定利用者情報の適正な取扱いに関するWG とりまとめ」(2022年9月)[8]

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(いのうえ・けんすけ)

アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業 スペシャル・カウンセル。2004年一橋大学法学部卒業。2007年慶応義塾大学法科大学院卒業。2008年弁護士登録(東京弁護士会)。2016年カリフォルニア大学バークレー校・ロースクール(LLM)修了。2017年カリフォルニア州弁護士登録。著作権法をはじめとする知的財産法、個人情報保護法をはじめとする各国データ保護法を専門とする。

 

(よしだ・たかひろ)

アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業アソシエイト。2018年東京大学工学部卒業。2020年東京大学大学院情報理工学系研究科数理情報学専攻修士課程修了。2022年弁護士登録(第二東京弁護士会)。

 

アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業 https://www.amt-law.com/

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