個人情報保護委員会事務局レポート:
仮名加工情報・匿名加工情報 信頼ある個人情報の利活用に向けて
―制度編―
アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業
弁護士 井 上 乾 介
弁護士 西 村 順一郎
1 はじめに
2022年3月、個人情報保護委員会事務局は、事業者における仮名加工情報および匿名加工情報の利用促進を目的として、「個人情報保護委員会事務局レポート:仮名加工情報・匿名加工情報 信頼ある個人情報の利活用に向けて―制度編」の第2版を作成・公表した[1]。
本レポートは、2017年に公表されたレポートの改訂版であり、仮名加工情報や匿名加工情報を作成するための考え方、実際に取り扱う際に参考となる事項や考え方を示しており、実務上有益な参考資料となっている[2]。本レポートは各制度を説明する「制度編」と、活用事例を紹介する「事例編」から構成されているが、本稿では、主に新設の仮名加工情報に焦点を当てて、本レポートの「制度編」の概要を紹介する。
2 個人情報、仮名加工情報、匿名加工情報の概要
まず、本レポートでは、個人情報、仮名加工情報、匿名加工情報の定義および個人情報保護法上の規律を、それぞれの差異に着目して、以下の整理を示している[3]。
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(いのうえ・けんすけ)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業 スペシャル・カウンセル。2004年一橋大学法学部卒業。2007年慶応義塾大学法科大学院卒業。2008年弁護士登録(東京弁護士会)。2016年カリフォルニア大学バークレー校・ロースクール(LLM)修了。2017年カリフォルニア州弁護士登録。著作権法をはじめとする知的財産法、個人情報保護法をはじめとする各国データ保護法を専門とする。
(にしむら・じゅんいちろう)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業アソシエイト。2016年東京大学法学部卒業。2018年東京大学法科大学院卒業。2019年弁護士登録(第二東京弁護士会)。主な取扱い分野は、知的財産法、個人情報保護法。
アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業 https://www.amt-law.com/
<事務所概要>
アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業は、日本における本格的国際法律事務所の草分け的存在からスタートして現在に至る、総合法律事務所である。コーポレート・M&A、ファイナンス、キャピタル・マーケッツ、知的財産、労働、紛争解決、事業再生等、企業活動に関連するあらゆる分野に関して、豊富な実績を有する数多くの専門家を擁している。国内では東京、大阪、名古屋に拠点を有し、海外では北京、上海、香港、シンガポール、ホーチミン、バンコク、ジャカルタ等のアジア諸国に拠点を有する。
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