リーガルテックと弁護士法72条
第2回 弁護士法72条と法律文書等作成サービス
桃尾・松尾・難波法律事務所
弁護士 松 尾 剛 行
1 法律文書等作成サービスと弁護士法72条
5回に渡って弁護士法72条とリーガルテックに関して検討する本連載の第2回として、以下、第1回(弁護士法72条とAIを利用した契約業務支援サービス)に引き続き、法律文書等作成サービスと弁護士法72条について検討していきたい。
最初期のリーガルテックの一つであるDoNotPay[1]を含む法律文書等作成サービスについては、2018年論文で、明確に弁護士法72条に抵触しないとは言い切れないとしていたところ、2021年における離婚関係法律文書等作成サービスに係るグレーゾーン解消制度に関する回答(以下「2021年回答」という)[2]においても、具体的な状況に応じて法律文書等作成サービスが違法となる可能性が指摘されている。よって、以下では2021年回答を前提に検討したい。
そして、以下のとおり、2021年回答を前提としても、相当程度多くの類型の法律文書等作成サービスが弁護士法72条に照らして適法に行うことができると考える。
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(まつお・たかゆき)
桃尾・松尾・難波法律事務所パートナー弁護士(第一東京弁護士会)、NY州弁護士
慶應義塾大学、中央大学、学習院大学、九州大学非常勤講師(2022年現在、就任順)
主な著書に
松尾剛行=西村友海『紛争解決のためのシステム開発法務――AI・アジャイル・パッケージ開発等のトラブル対応』(法律文化社、2022) ほか
主な論文に
「リーガルテックと弁護士法に関する考察」情報ネットワーク・ローレビュー18巻(2018)、「AIとガバナンス――企業統治の高度化・効率化にAIを役立てるという観点からの検討」商事法務2297号(2022) ほか