SH4070 日商、全銀協、「経営者保証に関するガイドライン」およびチラシを改定 小野塚格/田村将人(2022/07/20)

取引法務担保・保証・債権回収

日商、全銀協、「経営者保証に関するガイドライン」
およびチラシを改定

アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業

弁護士 小野塚   格

弁護士 田 村 将 人

 

1 はじめに

 今般、「経営者保証に関するガイドライン研究会」(座長:小林信明弁護士)において、「経営者保証に関するガイドライン」(以下「経営者保証ガイドライン」という。)が一部改定され、あわせて、経営者保証ガイドラインに関するチラシ(以下「チラシ」という。)も改定された。

 

2 経営者保証ガイドラインの改定

 経営者保証ガイドラインは、経営者保証の私的整理の準則として2013年12月に策定され、以降、数回にわたり改定されてきた。

 今回の経営者保証ガイドラインの改定は、2022年3月4日に新たな準則型私的整理手続として「中小企業の事業再生等に関するガイドライン」が策定されたこと、また、同年4月1日に、中小企業活性化協議会が設置(従前の中小企業再生支援協議会と経営改善支援センターが統合)されたこと等に伴い、経営者保証ガイドライン内における名称等の修正を行ったものである。すなわち、今回は形式的な修正にとどまり、実質的な内容の改定は行われていない。

 

3 チラシの改定

 チラシについては、2014年2月に公表されて以降、相当年数が経過しているにもかかわらず、改定がされていなかった。

 今回のチラシの改定においては、経営者保証ガイドライン自体の改定に加え、経営者保証ガイドライン策定後に公表された「事業承継時に焦点を当てた「経営者保証に関するガイドライン」の特則」(2019年12月)および「廃業時における「経営者保証に関するガイドライン」の基本的考え方」(2022年3月)の内容も踏まえて記載内容が加筆されるとともに、各種連絡窓口のアップデート等が行われた。

 以下、改定点を中心にチラシの概要を紹介していく。

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(おのづか・いたる)

アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業パートナー。1999年早稲田大学法学部卒業。2004年早稲田大学大学院法学研究科修了。2005年弁護士登録(東京弁護士会)。事業再生・倒産処理案件を柱としつつ、M&A、危機管理、訴訟・紛争解決、労務、会計・税務等を組み合わせた総合的なリーガルサービスを提供している。株式会社地域経済活性化支援機構(REVIC)出向中を中心に「経営者保証に関するガイドライン」を利用した経営者の債務整理案件を多数手がけている。2016年度及び2021年度東京弁護士会倒産法部事務局次長。杏林大学総合政策学部非常勤講師(倒産法及び労働法)。

 

(たむら しょうと)

アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業アソシエイト。2017年甲南大学法学部卒業。2018年弁護士登録(東京弁護士会)。2019年アンダーソン・毛利・友常法律事務所入所。
主な著書・論文等として、「預金払戻請求に対する預金拘束と金融機関による貸付金との相殺」金法2184号(2022)、「破産者による銀行への弁済に対する否認権行使と支払不能」金法2171号(2021)、「銀行取引約定の相殺条項の解釈と破産手続における効力」金法2158号(2021)。

 

アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業 https://www.amt-law.com/

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