SH4146 フィリピン:2022年外資規制緩和の流れと公共サービス法の改正 坂下大(2022/09/29)

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フィリピン:2022年外資規制緩和の流れと公共サービス法の改正

長島・大野・常松法律事務所

弁護士 坂 下   大

 

1 2022年上半期の各種改正

 フィリピンでは今年6月末にドゥテルテ前大統領が任期満了により退任し、マルコス氏が新大統領に就任した。7月25日に行われた同大統領による初の施政方針演説等により、新政権チームにおける重要政策項目が示され始め、その中には、貿易、投資の促進や、ドゥテルテ前大統領が推進した積極的なインフラ投資の継続、拡大に言及するものもある。日系企業を含む外国投資家によるフィリピン投資への影響という観点からも、今後の新政策や法改正の動向を注目していきたいところである。

 ところで、ドゥテルテ前大統領の任期が終盤に差し掛かった今年の前半は、外資規制に関する重要度の高い法改正が相次いだ。1月には小売自由化法が改正され、外資小売業に求められる資本金、投資額要件が引き下げられ、また外国投資家に求められる小売業の実績等の要件が撤廃される等、小売業における外資規制が大幅に緩和された。かかる改正内容の詳細については、拙稿(SH3899 フィリピン:小売自由化法を改正する法律の成立――外資規制の大幅緩和(1) 坂下大(2022/02/07)及びSH3901 フィリピン:小売自由化法を改正する法律の成立――外資規制の大幅緩和(2) 坂下大(2022/02/08))を参照されたい。また、3月には公共サービス法(the Public Service Act)が改正され、外資規制の対象となる公益事業の範囲が具体的に規定されたことにより、広範に解釈運用されてきた同規制の対象が緩和の方向で明確化された。以下では、この公共サービス法の改正内容を紹介する。

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(さかした・ゆたか)

2007年に長島・大野・常松法律事務所に入所し、クロスボーダー案件を含む多業種にわたるM&A、事業再生案件等に従事。2015年よりシンガポールを拠点とし、アジア各国におけるM&Aその他種々の企業法務に関するアドバイスを行っている。

慶應義塾大学法学部法律学科卒業、Duke University, The Fuqua School of Business卒業(MBA)。日本及び米国カリフォルニア州の弁護士資格を有する。

 

長島・大野・常松法律事務所 http://www.noandt.com/

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