タイ:デジタルプラットフォームサービス事業への規制に関する勅令(1)
長島・大野・常松法律事務所
弁護士 箕 輪 俊 介
弁護士 髙 橋 万由子
1 はじめに
タイにおいて、IT技術の進展に伴い、デジタルプラットフォームが急速に広まっている。現在では、多種多様なデジタルプラットフォーム、例えば、オンラインショッピングサービスを提供するShopeeやLazada、フードデリバリーサービスやタクシー配車サービスを提供するGrabが存在する。これらは企業や人々の市場へのアクセスや生活の利便性を向上させるものとして、タイの経済や社会にとって重要な役割を果たしている。
他方で、デジタルプラットフォームの普及により、デジタルプラットフォームサービス事業を規制する必要性も高まっている。これを受けて、2023年8月20日から、Royal Decree on Digital Platform Services B.E. 2565 (2022)(以下「本勅令」という。)が施行される。本稿では、本勅令の主要な規制内容について2回に分けて紹介する。
この記事はプレミアム向け有料記事です
ログインしてご覧ください
(みのわ・しゅんすけ)
2005年東京大学法学部卒業、2007年一橋大学大学院法学研究科(法科大学院・司法試験合格により)退学。2014 年Duke University School of Law 卒業(LL.M.)、2014 年Ashurst LLP(ロンドン)勤務を経て、2014 年より長島・大野・常松法律事務所バンコク・オフィス勤務。
バンコク赴任前は、中国を中心としたアジア諸国への日本企業の進出支援、並びに、金融法務、銀行法務及び不動産取引を中心に国内外の企業法務全般に従事。現在は、タイ及びその周辺国への日本企業の進出、並びに、在タイ日系企業に関連する法律業務を広く取り扱っている。
(たかはし・まゆこ)
2016年東京大学法学部卒業、2018年東京大学法科大学院(司法試験合格により)退学、長島・大野・常松法律事務所入所。海外で事業展開する建設企業への国際法務相談窓口での経験や当事務所海外オフィスでの研修での経験等を経て、日系企業のアジアを中心とする海外での事業展開に関して、幅広い分野で法務サポートを行っている。
長島・大野・常松法律事務所 http://www.noandt.com/
長島・大野・常松法律事務所は、500名を超える弁護士が所属する日本有数の総合法律事務所です。企業法務におけるあらゆる分野のリーガルサービスをワンストップで提供し、国内案件及び国際案件の双方に豊富な経験と実績を有しています。
当事務所は、東京、ニューヨーク、シンガポール、バンコク、ホーチミン、ハノイ、ジャカルタ及び上海に拠点を構えています。また、東京オフィス内には、日本企業によるアジア地域への進出や業務展開を支援する「アジアプラクティスグループ(APG)」及び「中国プラクティスグループ(CPG)」が組織されています。当事務所は、国内外の拠点で執務する弁護士が緊密な連携を図り、更に現地の有力な法律事務所との提携及び協力関係も活かして、特定の国・地域に限定されない総合的なリーガルサービスを提供しています。
詳しくは、こちらをご覧ください。