SH4166 経産省、「グリーン社会の実現に向けた競争政策研究会 競争政策上の論点に関する報告書」を公表 原悦子(2022/10/18)

組織法務サステナビリティ

経産省、「グリーン社会の実現に向けた競争政策研究会 競争政策上の論点に関する報告書」を公表

アンダーソン・毛利・友常法律事務所 外国法共同事業

弁護士 原   悦 子

 

1 はじめに

 経済産業省は、2022年9月30日、「グリーン社会の実現に向けた競争政策研究会 競争政策上の論点に関する報告書」(以下「本報告書」という。)を公表した[1]。グリーン社会の実現に向けた競争政策研究会(以下「本研究会」という。)[2]は、炭素中立型社会の実現に向けた取組を後押しする上での競争政策上の論点について、広く知見を集めて整理を行い、それを共有することを目的として開催された研究会であり、本報告書は、5回にわたる本研究会の成果をまとめたものである。

 

2 背景

 炭素中立社会を実現するためには、革新的なイノベーションや産業構造の転換、大規模な投資が必要となり、複数の企業による共同での取組(共同行為、企業結合)も想定されるところ、かかる取組は競争法の適用対象であることから、グリーン政策を進めるに当たっては競争政策との関係を整理することも必要となる[3]。本報告書は、このようなグリーン政策に関する競争政策上の方策に関して、次のように述べ、厳正に対処する場合と、強く後押しする場合があることを指摘する。

(本報告書2頁より)

 グリーン政策と競争政策に関する諸外国で活発に議論が行われていることも踏まえ、本研究会では、諸外国の動向の検討、有識者からのヒアリングおよび委員の意見交換が行われている。

この記事はプレミアム向け有料記事です
ログインしてご覧ください


(はら・えつこ)

アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業パートナー。1998年東京大学法学部卒業。2001年弁護士登録(第二東京弁護士会)。2006年コロンビア大学ロースクール(LL.M.)修了。2007年ニューヨーク州弁護士登録。2019年~2022年東京大学大学院法学政治学研究科准教授。独禁法の分野において、独禁調査案件、企業結合届出の対応に幅広い経験を有するほか、クロスボーダーでの事業展開、フランチャイズ、戦略的提携に関する案件、通商業務も多く取り扱う。

アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業 https://www.amt-law.com/

<事務所概要>
アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業は、日本における本格的国際法律事務所の草分け的存在からスタートして現在に至る、総合法律事務所である。コーポレート・M&A、ファイナンス、キャピタル・マーケッツ、知的財産、労働、紛争解決、事業再生等、企業活動に関連するあらゆる分野に関して、豊富な実績を有する数多くの専門家を擁している。国内では東京、大阪、名古屋に拠点を有し、海外では北京、上海、香港、シンガポール、ホーチミン、バンコク、ジャカルタ等のアジア諸国に拠点を有する。

<連絡先>
〒100-8136 東京都千代田区大手町1-1-1 大手町パークビルディング

タイトルとURLをコピーしました