SH4206 ベトナム:労働法Q&A 週休日の柔軟な設定の可否 澤山啓伍(2022/11/21)

そのほか労働法

ベトナム:労働法Q&A 週休日の柔軟な設定の可否

長島・大野・常松法律事務所

弁護士 澤 山 啓 伍

 

Q:当社では、就業規則において、週休日を土曜日と日曜日に設定しています。今般、部品の納入の遅れが頻繁に生じるため、部品の納入のタイミングを見て、会社が毎週、翌週の週休日を指定できるようにしたいと考えているのですが、可能でしょうか?

 

A:ベトナム法では、そのような形での週休日の指定はできないものと思われます。理由は以下の通りです。

 

 まず、週休日をいつにするかについては、労働者から同意を取得する必要はなく、使用者が就業規則に明記することで決定することができます(労働法第111条)。ただ、使用者が決定する週休日は「日曜日又は週の特定された日」にしなければならないとされています。

 この点、現行労働法の前の2012年労働法においては、この「週の特定された日」という部分が「週の固定された日」と規定されていました。この用語の改正により、現行法下では、使用者は週休日を毎週同じ曜日に「固定」する必要はなく、予め「特定」すればよく、より柔軟に設定できるようになったと考えられています。

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(さわやま・けいご)

2004年 東京大学法学部卒業。 2005年 弁護士登録(第一東京弁護士会)。 2011年 Harvard Law School卒業(LL.M.)。 2011年~2014年3月 アレンズ法律事務所ハノイオフィスに出向。 2014年5月~2015年3月 長島・大野・常松法律事務所 シンガポール・オフィス勤務 2015年4月~ 長島・大野・常松法律事務所ハノイ・オフィス代表。

現在はベトナム・ハノイを拠点とし、ベトナム・フィリピンを中心とする東南アジア各国への日系企業の事業進出や現地企業の買収、既進出企業の現地でのオペレーションに伴う法務アドバイスを行っている。

 

長島・大野・常松法律事務所 http://www.noandt.com/

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