SH4225 2022年上半期の個人データ漏えい等事案への個人情報保護委員会の対応 井上乾介/安藤翔(2022/12/06)

取引法務個人情報保護法

2022年上半期の個人データ漏えい等事案への
個人情報保護委員会の対応

アンダーソン・毛利・友常法律事務所 外国法共同事業

弁護士 井 上 乾 介

弁護士 安 藤   翔

 

1 はじめに

 2022年11月9日に開催された第223回個人情報保護員会において、「令和4年度上半期における個人情報保護委員会の活動実績について(案)」(以下「活動実績案」という。)が提出され、原案どおり決定された[1]活動実績案は、2022年度上半期(同年4月1日から9月30日までの期間)における個人情報保護委員会の主な活動実績を報告するものであり、個人情報に関連する実務に携わる者にとっては、当該期間における個人情報保護委員会の施策や、企業等に関する監視・監督状況を把握するための有益な資料といえる。

 報告にかかる活動実績は、個人情報保護法等に関する事務(令和2年、令和3年改正法の円滑かつ適切な施行等に関する取組や、漏えい事案に対する「個人情報の保護に関する法律」(以下「個情法」という。)に基づく監視・監督等)、マイナンバーに関する事務(「行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律」(以下「マイナンバー法」という。)に基づく監督等、特定個人情報保護評価等)や国際協力に関する事項(国際動向の把握と情報発信等)に至るまで多岐にわたるが(資料1参照)、本稿では、実務上重要となる漏えい等事案を中心に紹介する。

 

【資料1】

出典:第223回個人情報保護委員会 資料1-1
「令和4年度上半期における個人情報保護委員会の活動実績について(案)(概要)」[2]

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(いのうえ・けんすけ)

アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業 スペシャル・カウンセル。2004年一橋大学法学部卒業。2007年慶応義塾大学法科大学院卒業。2008年弁護士登録(東京弁護士会)。2016年カリフォルニア大学バークレー校・ロースクール(LLM)修了。2017年カリフォルニア州弁護士登録。著作権法をはじめとする知的財産法、個人情報保護法をはじめとする各国データ保護法を専門とする。

 

(あんどう・しょう)

アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業アソシエイト。2010年早稲田大学法学部卒業。2013年慶應義塾大学法科大学院卒業。2014年弁護士登録(第一東京弁護士会)。2019年~2020年に米国ニューヨークの大手総合商社・コンプライアンス部門に出向。2022年University of Virginia(LL.M)卒業。経営法曹会議会員。使用者側の労働法務を中心に個人情報保護法等の領域も取り扱い、国内外のクライアントに対し、多数のアドバイスを行っている。

 

アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業 https://www.amt-law.com/

<事務所概要>
アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業は、日本における本格的国際法律事務所の草分け的存在からスタートして現在に至る、総合法律事務所である。コーポレート・M&A、ファイナンス、キャピタル・マーケッツ、知的財産、労働、紛争解決、事業再生等、企業活動に関連するあらゆる分野に関して、豊富な実績を有する数多くの専門家を擁している。国内では東京、大阪、名古屋に拠点を有し、海外では北京、上海、香港、シンガポール、ホーチミン、バンコク、ジャカルタ等のアジア諸国に拠点を有する。

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