- 1 普通地方公共団体の議会の議員に対する懲罰その他の措置が当該議員の私法上の権利利益を侵害することを理由とする国家賠償請求の当否の判断方法
- 2 市議会の議会運営委員会による議員に対する厳重注意処分の決定が違法な公権力の行使に当たるとはいえないとされた事例
- 1 普通地方公共団体の議会の議員に対する懲罰その他の措置が当該議員の私法上の権利利益を侵害することを理由とする国家賠償請求の当否を判断するに当たっては、当該措置が議会の内部規律の問題にとどまる限り、議会の自律的な判断を尊重し、これを前提として請求の当否を判断すべきである。
- 2 市議会の議会運営委員会による議員に対する厳重注意処分の決定は、議員としての行為に対する市議会の措置であり、市議会の定めた政治倫理要綱に基づくものであって特段の法的効力を有するものではないという事情の下においては、その適否については議会の自律的な判断を尊重すべきであり、当該決定が違法な公権力の行使に当たるとはいえない。
(1、2につき)国家賠償法1条1項、裁判所法3条1項
平成30年(受)第69号 最高裁平成31年2月14日第一小法廷判決 損害賠償請求事件 破棄自判
原 審:平成28年(ネ)第796号 名古屋高裁平成29年9月14日判決
第1審:平成27年(ワ)第460号 津地裁平成28年8月18日判決
1 事案の概要
本件は、上告人の市議会議員である被上告人が、上告人に対し、市議会運営委員会(以下「議会運営委員会」という。)が被上告人に対する厳重注意処分の決定(以下「本件措置」という。)をし、市議会議長がこれを公表したこと(以下、これらの行為を併せて「本件措置等」という。)により、被上告人の名誉が毀損されたとして、国家賠償法1条1項に基づき、慰謝料等の支払を求める事案である。
2 関係法令等の定め、事実関係の概要等
(1) ア 名張市議会会議規則(平成8年名張市議会規則第1号。以下「本件規則」という。)90条は、委員会の委員は、事故のため出席できないときは、その理由を付け、当日の開議時刻までに委員長に届け出なければならないと規定する。また、本件規則105条は、委員会は、審査又は調査のため委員を派遣しようとするときは、その日時、場所、目的、経費等を記載した派遣承認要求書を議長に提出し、あらかじめ承認を得なければならないと規定する。
イ 名張市議会議員政治倫理要綱(名張市議会告示第1号。以下「本件要綱」という。)2条は、議員は、次に定める政治倫理基準を遵守しなければならないとし、その一つとして、地方自治の本旨及び本件規則にのっとり、議員としての責務を全うすることと定めている(2号)。そして、本件要綱3条は、この要綱に反した場合は、勧告その他必要な措置をとることができると定め、本件要綱4条は、この要綱の運用については、議会運営委員会がこれに当たると定めている。
(2) ア 被上告人は、市議会議員として常任委員会である教育民生委員会に所属していたところ、同委員会では、平成27年1月28日から30日までの日程で、委員全員を参加委員として、岡山県内や北九州市において介護支援やごみの減量化等の取組みに関する視察旅行(以下「本件視察旅行」という。)を行うとの提案がされ、その後の協議を経て、教育民生委員長が、同26年12月18日、市議会議長に対し、本件視察旅行に係る委員派遣の承認を求めた。市議会議長は、同日、これを承認し、教育民生委員会の委員全員に対して出張命令を発した。これに対し、被上告人は、市議会議長に対し、上告人の財政状況等に照らしてこれを実施すべきでないと判断する旨を記載した欠席願を提出した上で、本件視察旅行を欠席した。
イ 議会運営委員会は、平成27年2月4日、被上告人に対し、本件視察旅行を欠席したことを理由として、厳重注意処分を行うことを決定し(本件措置)、本件視察旅行が本件規則に基づく公務であるにもかかわらず、被上告人は正当な理由なく欠席したため、本件要綱の規定に基づき厳重注意処分とする旨、及び今後、公務に対する正確な認識の下、議員としての責務を全うするよう強く求める旨を記載した市議会議長名義の厳重注意処分通知書(以下「本件通知書」という。)を作成した。そして、市議会議長は、上記同日、議会運営委員会の正副委員長等のほか、本件措置を知って取材の申入れをした新聞記者5、6名のいる議長室において、本件通知書を朗読し、これを被上告人に交付した。
ウ これに対し、被上告人が、議会運営委員会による本件措置及び市議会議長による公表によって名誉が毀損されたとして本件訴えを提起したものであり、主として、本件訴えが裁判所法3条1項にいう法律上の争訟に当たるか、これに当たるとして、議会の内部規律の問題として裁判所はこれらの行為の適否の判断を差し控えるべきか、が争われた(ただし、第1審では、前者は争点化されず判断の対象となっていない。)。
3 第1審及び原審の判断
第1審は、本件措置等は、被上告人に対する名誉毀損行為に該当するとしつつ、市議会の自律権の範囲内で決定された事項であって、その真実性又は真実相当性の抗弁については司法審査が及ばないとして、被上告人の請求を棄却した。
これに対し、原審は、被上告人の請求は、名誉権という私権の侵害を理由とする国家賠償請求である上、紛争の実態に照らしても、一般市民法秩序において保障される移動の自由や思想信条の自由という重大な権利侵害を問題とするものであり、一般市民法秩序と直接の関係を有するから、本件訴えは、裁判所法3条1項にいう法律上の争訟に当たるとし、本件措置等は、被上告人の市議会議員としての社会的評価の低下をもたらすと認められ、その真実性又は真実相当性の抗弁が認められないなどとして、被上告人の請求を慰謝料50万円の支払を求める限度で認容した。
4 本判決の概要
上告人からの上告受理の申立てに対し、第一小法廷は、要旨以下のとおり判示して、原判決中上告人の敗訴部分を破棄し、第1審判決を結論において是認できるとして、被上告人の控訴を棄却した。
(1) 本件は、被上告人が本件措置等によってその名誉を毀損されたとして国家賠償法1条1項に基づき損害賠償を求めるものであるところ、これは、私法上の権利利益の侵害を理由とする国家賠償請求であり、その性質上、法令の適用による終局的な解決に適しないものとはいえないから、本件訴えは、裁判所法3条1項にいう法律上の争訟に当たり、適法というべきである。
(2) もっとも、普通地方公共団体の議会(以下「地方議会」という。)は、地方自治の本旨に基づき自律的な法規範を有するものであり、議会の議員に対する懲罰その他の措置については、議会の内部規律の問題にとどまる限り、その自律的な判断に委ねるのが適当であり(最高裁昭和34年(オ)第10号同35年10月19日大法廷判決・民集14巻12号2633頁(以下「昭和35年最判」という。)参照)、このことは、上記の措置が私法上の権利利益を侵害することを理由とする国家賠償請求の当否を判断する場合であっても、異なることはないというべきである。したがって、地方議会の議員に対する懲罰その他の措置が当該議員の私法上の権利利益を侵害することを理由とする国家賠償請求の当否を判断するに当たっては、当該措置が議会の内部規律の問題にとどまる限り、議会の自律的な判断を尊重し、これを前提として請求の当否を判断すべきものと解するのが相当である。
本件措置は、被上告人の議員としての行為に対する市議会の措置であり、かつ、本件要綱に基づくものであって特段の法的効力を有するものではなく、また、市議会議長が、相当数の新聞記者のいる議長室において、本件通知書を朗読し、これを被上告人に交付したことについても、殊更に被上告人の社会的評価を低下させるなどの態様、方法によって本件措置を公表したものとはいえない。以上によれば、本件措置は議会の内部規律の問題にとどまるものであるから、その適否については議会の自律的な判断を尊重すべきであり、本件措置等が違法な公権力の行使に当たるものということはできない。したがって、上告人は、被上告人に対し、国家賠償責任を負わないというべきである。
5 説明
(1) 地方議会の措置の違法を理由とする国家賠償請求訴訟と法律上の争訟
判例・通説は、憲法76条1項の司法権の範囲につき、裁判所法3条1項の法律上の争訟と同義であると解しており、判例は、法律上の争訟につき、「当事者間の具体的な権利義務ないし法律関係の存否に関する紛争であって、かつ、それが法令の適用によって終局的に解決することができるもの」と定義している。そして、裁判所法3条1項にいう法律上の争訟には、いくつかの例外があり、国会ないし各議院の自律権に属する行為や団体の内部事項に関する行為など、法律上の係争ではあるが、事柄の性質上裁判所の審査に適しないものは、司法審査の対象外であると解されている。地方議会の内部事項の問題に対する司法審査については、昭和35年最判が、議員としての行為につき、除名処分のような議員たる身分の得喪に関する処分の適否に関する訴えは司法審査の対象とする一方、議員の権利行使の一時的制限にすぎない懲罰決議の適否に関する訴えは、内部規律の問題として自治的措置に任せるのを相当とし、裁判所法3条1項の法律上の争訟に当たらないとして、司法審査の対象外としている。
もっとも、本件のように地方議会の議員が議員としての行為に対する議会の懲罰その他の措置の違法を理由として提起した国家賠償請求訴訟は、それ自体は具体的な権利義務ないし法律関係をめぐる紛争であるため、訴えの適法性が問題となる。
この点について直接判示した最高裁判例はなく(最高裁平成6年6月21日第三小法廷判決・集民172号703頁は、議員の純然たる私的紛争についての言動を理由とする地方議会の議員辞職勧告決議等が当該議員の名誉毀損に当たるとした国家賠償請求訴訟について、法律上の争訟に当たるとし、全面的に請求の当否を判断しているが、これは議員としての行為を対象とする本件のような事案とは異なる。)、下級審裁判例では、懲罰その他の措置の適否は内部規律の問題として司法審査を差し控えつつ、請求棄却の判決をするものが多いものの、訴えそのものが法律上の争訟に該当しないとして不適法却下の判決をするものも存在する。上記の国家賠償請求訴訟は、私法上の権利利益の侵害を理由とする給付訴訟として適法であるのが原則であるが、給付訴訟において司法審査の対象となるか否かが問題となった最高裁判例として、宗教上の教義が問題となった寄附金の不当利得返還請求事件(板まんだら事件)があり、最高裁昭和56年4月7日第三小法廷判決・民集35巻3号443頁は、訴えそのものが法律上の争訟に該当しないとして不適法却下をしている。もっとも、この事案では、錯誤を理由とする寄附金の不当利得該当性を検討する上で法令の適用による終局的な解決が不可能な宗教上の教義を検討することが不可欠であったため、紛争全体として司法的解決に適しない事案であったと評価し得るものである(同旨の分析をしたものとして、宍戸常寿「宗教上の教義に関する紛争と司法権」長谷部恭男=石川健治=宍戸常寿編『憲法判例百選Ⅱ〔第6版〕』(有斐閣、2013)406頁参照)。これに対し、地方議会の内部事項の問題は、裁判所が法令を適用して判断を示すことは可能であるものの、議会の自律権を尊重して司法審査を差し控えるのが相当であると捉えられるものであり、これらを同列に論ずるのは相当ではないと考えられる。また、議会の措置が私法上の権利利益を違法に侵害することを理由とする国家賠償請求訴訟においては、議会の自律権は請求の当否を判断する上で必ずしも不可欠の要素ではなく、紛争自体が全体として司法的解決に適しないものではないから、法律上の争訟であることを否定する合理的理由は見いだし難い。さらに、請求の当否の前提問題として団体の内部事項の適否が問題となった最高裁昭和63年12月20日第三小法廷判決・集民155号405頁(共産党除名処分事件)も、政党が党員に対してした除名処分を前提として党施設の明渡し等を求めた訴訟において、訴えが司法審査の対象となることを肯定している。
以上からすれば、訴訟物そのものが具体的な権利義務ないし法律関係をめぐる紛争であり、その前提問題として団体の内部事項の適否が問題となる場合には、当該前提問題が法令の適用により終局的に解決することができない問題でない限り、法律上の争訟は否定されないものと解するのが相当であるように思われ、議員としての行為に対する地方議会の懲罰その他の措置が私法上の権利利益を違法に侵害することを理由とする国家賠償請求訴訟についても、訴えそのものは適法であると解するのが相当と考えられる。本判決が、本件訴えにつきその性質上法令の適用による終局的な解決に適しないものとはいえないとして適法であると判示したのも、このような理解を前提とするものと思われる。
(2) 国家賠償請求訴訟における地方議会の内部事項の適否に関する司法審査
次に、国家賠償請求訴訟が適法であるとしても、議員としての行為に対する地方議会の懲罰その他の措置の適否については、議会の自律権の範囲内に属する事項として司法審査を差し控えるべきかが問題となる。
この点につき、原審は、被上告人の請求が、名誉権という私権の侵害を理由とするものであることや一般市民法秩序において保障される自由の重大な権利侵害を問題とすることを根拠として司法審査の対象となることを理由に、全面的に請求の当否を審査したものである。
しかし、憲法は、地方公共団体の組織及び運営に関する事項は、地方自治の本旨に基づいて、法律でこれを定めると規定し(92条)、その議事機関として議会を設置する旨を規定する(93条1項)など、地方議会について団体自治の見地から自律的な法規範を整備することを予定し、これを受けて法が地方議会の組織、権限及び規律等に関する詳細な規定を設けている。このような規定に照らすと、地方議会における法律上の係争については、一般市民法秩序と直接の関係を有しない内部的な問題にとどまる限り、内部規律の問題として自治的、自律的な解決に委ねるのを適当とし、裁判所の司法審査の対象とはならないものと解するのが相当であり、昭和35年最判もこのような理解を前提とするものと考えられる(このような整理をしたものとして、最高裁平成30年4月26日第一小法廷判決・集民258号61頁参照)。そして、このような地方議会の内部事項の問題について自治的措置に任せるのを適当とした昭和35年最判の法理は、当該措置の違法を理由とする国家賠償請求の当否を判断するに当たっても同様に妥当するものであり、当該措置の適否が請求の当否を判断する前提問題にとどまる場合であっても、議会の自律権を尊重すべき必要性は変わらないものと考えられる。実質的にも、議会による懲罰その他の措置の適否自体を争う場合には、それが一般市民法秩序と直接の関係を有しない内部的な問題にとどまる限り、議会の内部規律の問題として司法審査の対象外として扱われるのに対し、当該措置の違法を理由とする国家賠償請求訴訟が提起された場合には、当該措置の適否を含めて全面的に司法審査に服するものと解することとなれば、議会の自治的措置に委ねるのを適当として司法審査の対象外とした趣旨を没却することになりかねないと考えられる(成田頼明=園部逸夫ほか編『注釈 地方自治法1〈全訂〉』(第一法規、2000)2395、2396頁も、訴えの適法性については明示していないが、議会の自律権の範囲内で決定された事項については司法審査を否定するのが相当であるとする。)。そして、このことは、本件のように当該措置が処分性を有しないために取消訴訟等を提起することができない場合であっても異なることはないと考えられる。そうすると、議会による懲罰その他の措置の違法を理由とする国家賠償請求訴訟においても、当該措置の適否自体が争われる事案と同様に、その適否につき議会による自主的、自律的な判断を尊重して請求の当否を判断すべきものと考えられる。
本判決は、地方議会の懲罰その他の措置が議員の私法上の権利利益を侵害することを理由とする国家賠償請求の当否を判断するに当たっては、当該措置が議会の内部規律の問題にとどまる限り、議会の自律的な判断を尊重し、これを前提として請求の当否を判断すべきものと解するのが相当であると判示したが、これは以上のような理解を前提とするものと考えられる。なお、地方議会の懲罰その他の措置が議員としての行為を対象とするものであって議会の内部規律の問題にとどまるものであるかは、事案に応じて個別に検討することになろう。
(3) 本件措置等の適否についての司法審査
以上を前提として本件についてみると、本件措置等は、①議会運営委員会が被上告人に対し厳重注意処分の決定をし、②市議会議長がこれを公表したことを内容とするものである。まず、①本件措置は、被上告人が本件視察旅行を正当な理由なく欠席したことを理由とし、地方自治法135条1項各号に定められた懲罰ではなく、地方自治の本旨及び本件規則にのっとり、議員としての責務を全うすべきことを定めた本件要綱2条2号に違反するとして、同3条所定のその他必要な措置として行われたものである。これは、被上告人の議員としての行為に対する市議会の措置であり、かつ、本件要綱に基づくものであって特段の法的効力を有するものではないから、本件措置が、被上告人の議員としての権利に重大な制約をもたらすものと認めることはできないと考えられる。また、②市議会議長による上記の公表行為についても、議会運営委員会が市議会議長名義の本件通知書を作成し、同委員会の正副委員長が市議会議長による公表の場に同席したことからも明らかなとおり、同委員会は、市議会の代表者である市議会議長が、被上告人に対し本件通知書を交付することによって本件措置を通知することとしたものと認めるのが相当と考えられる。さらに、市議会議長が、相当数の新聞記者のいる議長室において本件通知書を朗読したことについても、それ自体は市議会の措置とはいい難いものの、記者からの取材要請を受けたことによるものであり、殊更に被上告人の社会的評価を低下させるなどの態様、方法によって本件措置を公表したものとは認められないと考えられる。
以上によれば、本件措置は議会の内部規律の問題にとどまるものであるから、その適否については議会の自律的な判断を尊重すべきであり、また、本件措置の公表についても公益目的を欠くことにより名誉毀損を肯定すべきものとは認められないから、本件措置等が、違法な公権力の行使に当たるものということはできず、国家賠償法1条1項の適用上違法であるとはいえないと考えられる。なお、第1審及び原審は、本件措置の適否について裁判所がその判断を差し控えるべきか否かを検討する前に、本件措置等がXに対する名誉毀損行為に該当するか否かについて判断しているが、国家賠償請求訴訟における違法な公権力の行使としての名誉毀損該当性の主張立証責任をどのように考えるかは別論としても、本件措置の適否について議会の自律的な判断を尊重すべきものである以上、これが名誉毀損行為か否かを検討すること自体についても司法審査を差し控えるのが相当であると考えられる。本判決は、その判文に照らし、以上の整理を前提として、上告人が被上告人に対し国家賠償責任を負わないと判断したものと考えられる。
6 本判決の意義
本判決は、地方議会の懲罰その他の措置が議員の私法上の権利利益を侵害することを理由とする国家賠償請求訴訟につき、法律上の争訟の有無や請求の当否の判断方法について最高裁が初めて判断を示したものである。昭和35年最判その他の団体の内部事項の問題に対する司法審査についての判例法理やこれとの権衡を考慮すれば、上記の国家賠償請求訴訟は、法律上の争訟に当たるものの、上記の措置が議会の内部規律の問題にとどまる限り、議会の自律的な判断を尊重し、これを前提として請求の当否を判断すべきものと解されるところであり、本判決の結論に異論はないように思われる。もっとも、近時、地方議会における議員に対する措置の適否や名誉毀損の成否に関して、裁判所の司法審査の対象となるか否かが争われる事案が増加しており、本判決は、上記の措置に係る名誉毀損の成否についての判断方法を示した判例として、同種の事例の参考になるものと考えられる。