☆インド:新型コロナウイルスの影響まとめ(速報) 山本 匡(2020/03/16)

2020年3月12日号
インド:新型コロナウイルスの影響まとめ(速報)

                                                                                長島・大野・常松法律事務所

弁護士 山 本   匡

はじめに

 3月11日、世界保健機関(WHO)は新型コロナウイルスの感染が「パンデミック(世界的流行)」に該当すると発表し、国から国への感染の広がりの制御が難しい状態にあるとの認識を示しました。感染拡大に伴う国内の各種法律問題に加え、海外に子会社・関係会社を抱える企業からの問い合わせも増えているため、速報ベースで各国の方針や影響拡大状況の概要につきお知らせ致します。なお、本記事は感染拡大が続く間、不定期に配信していきたいと思いますが、同感染症の拡大状況については日々状況が変化している中、本記事の内容がその後変更・更新されている可能性については十分ご留意の上参照ください。本記事の内容は、特段記載のない限り、2020年3月10日夜時点で判明している情報に基づいています。

 

全体概況  死亡者:0人、感染者数(累計):60人(3月11日現在)

 インドでは連日感染者の増加が公表され、感染が確認されたのが累計60人である。この中にはイタリアからの旅行者も含まれる。空港等での検疫を強化している。人口が多く、人口密集地も多いため、大規模な感染が懸念されている。

 

主な政府発表

  1. ・中国、韓国、イラン、イタリア、フランス、スペイン及びドイツへの渡航中止、並びにコロナウイルスの感染があった国への不急の渡航中止が勧告されている。
  2. ・韓国及びイタリアからインドに渡航しようとする者は、医療機関が発行するコロナウイルスに感染していないことを証する証明書を有していることを要する。その他の国からの渡航者も、自己申告書を提出する必要がある。
  3. ・保険・家族・福祉省(Ministry of Health & Family Welfare)がDo’s and Don’tsを公表している[1]

 

渡航情報

  1. ・3月3日以前に日本、イタリア、イラン及び韓国の各国国民に発給されたビザは同日に失効した。やむを得ない理由によりインドに入国する必要がある場合は、インド大使館又は領事館で新たなビザの発給を受ける必要がある。また、3月11日以前にフランス、ドイツ及びスペインの各国国民に発給されたビザも同日に失効した。中国及び上記各国に2月1日以降に渡航した者のビザも失効した。
  2. ・日本人へのOn-arrival Visaの発給は停止されている。
  3. ・日本、中国、香港、韓国、イタリア、タイ、シンガポール、イラン、マレーシア、フランス、スペイン、ドイツに渡航歴のある者は、インドへの到着後14日間、自主的な隔離の対象とされ、雇用主は、この期間内、従業員が在宅勤務できるようにすべきとのことである。

 

その他

  1. ・雇用主は、一般的に職場における従業員の安全・健康を確保すべき義務を負っており、コロナウイルスに関しても、従業員への情報提供、職場における衛生環境の確保、感染者・感染の可能性のある者の出勤停止(病気休暇等)、在宅勤務等の措置を検討すべきである。出張(インド国内出張を含む)を制限する現地企業も出てきている。現地報道によれば、カルナタカ州政府が公表したガイドラインには、風邪と似た症状のある従業員の在宅勤務を認める等、雇用主がとるべき措置が含まれているとのことであり、州によってはこのようなガイドライン等を公表することもあり得る。
  2. ・現地報道によると、財務省(Ministry of Finance)が、太陽光発電デベロッパーに対し、コロナウイルスによるサプライチェーンの混乱により、契約上の期限を遵守できなかったとしても、財務上の制裁を回避するため、不可抗力条項を発動することができると公表したとのことである。
  3. ・デリー等で学校が閉鎖されている。

 

(やまもと・ただし)

2003年弁護士登録。2009年以降、インド現地法律事務所、日系証券会社・日系自動車メーカーのインド子会社へ出向。2014年から長島・大野・常松法律事務所シンガポール・オフィス勤務を経て、現在は東京オフィス勤務。インド・ミャンマー等の新興国の案件を中心に携わる。

長島・大野・常松法律事務所 http://www.noandt.com/

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