◇SH0383◇銀行員30年、弁護士20年 第48回「作った時間を有効活用する」 浜中善彦(2015/07/28)

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銀行員30年、弁護士20年

第48回 作った時間を有効活用する

弁護士 浜 中 善 彦

 

 時間を管理し、それを有効活用することは、サラリーマンであれ弁護士であれ、今後ますます重要になる。1人当たりの仕事量は従来にもまして増えてくると思われるし、情報技術の発展に伴って、スピードも求められるようになる。
 私が銀行へ入行して融資課員として働き始めた50年ほど前は、稟議は全て鉛筆による手書きだった。その稟議を上司から直されて書き直しをするには、改めて書き直しをしなければならなかった。しかし、今はPCに書式が入っており、それに従って書けばよくなっており、訂正する場合もいとも簡単である。そのかわり、私のころに比べると、担当先も増え、スピードも要求されるであろう。弁護士も、企業の顧問先からの質問や照会は電話やFAXはほとんどない。すべてメールといっていい。回答も、すべてメールである。その場合、メールを秘書にさせるなどしていたら、到底仕事にならない。

 

 それだけに、仕事を効率的にこなし余暇時間をいかに確保するかは、資格試験を目指すか否かに関係なく、サラリーマンにとってはきわめて重要である。その点は弁護士にとっても同様で、時間の有効活用は、職業のいかんを問わず従来になく重要な課題となってきている。余暇時間をいかに活用するかということは、各人の毎日の生活をいかに充実させるかということである。余暇時間が短い場合は、とかく寝て過ごしたり、漫然とテレビを見たりして終わりがちになる。こういう人の場合、定年後することもなくなると、何をしていいかわからず、一日中家にいて、妻から余計者扱いされたという話はよく聞く。
 したがって、余暇時間をいかに確保するか、確保した時間をどう使うかは、それぞれ日頃から意識的に考え、実行する必要がある。余暇時間をどう過ごすかは、人それぞれであり、どうでなければならないということはない。趣味の旅行を計画的にする、絵をかく、スポーツをするなど、人によるであろう。私の先輩で、ゴルフが好きで好きで、現役の銀行員時代は、暇を見つけてする、月に2度か3度のゴルフを無二の楽しみとしている人がいた。その先輩は、定年になったら、思いのたけゴルフをするんだといって楽しみにしていた。定年後、毎月ゴルフ三昧の日々を送っていると聞いていたが、3ヶ月ほど後に聞いたところ、ゴルフはやめたということであった。理由は、いつでもゴルフができるようになったら、ゴルフをすることが楽しくもなんともなくなったということであった。同様の話は、盆栽が好きで好きで、残業でどんなに遅くなっても盆栽の手入れをしていた先輩が、定年後しばらくして、盆栽をすべてダメにしたという話を聞いた。この人も、毎日いつでも盆栽いじりができるようになったら、盆栽いじりに興味がなくなったというのである。

 

 余暇時間の活用は、するべきことがあり、それ以外にも別の生きがいを求めるということである。悠々自適という言葉があるが、実際には、そんな例は聞いたことがない。仕事がなくなって、できた時間をどう過ごすかを考えなければなくなった場合、有効活用どころか、時間をどうやって過ごすかを考えなければならなくなる。
 そうならないためには、忙しい現役時代から、勉強に打ち込む、あるいは趣味のスポーツに取り組むなど、余暇の有効活用を習慣化して自らを高める努力をすることが大事である。資格試験に挑戦するということは、時間の有効活用を嫌でも実感させられるだけではなく、日々の生活を計画的に過ごし、規則正しい生活習慣を身につけるいい機会になる。

以上

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