◇SH0394◇銀行員30年、弁護士20年 第51回「効率的に仕事をこなす」 浜中善彦(2015/08/07)

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銀行員30年、弁護士20年

第51回 効率的に仕事をこなす

弁護士 浜 中 善 彦

 

 時間を有効活用して充実した毎日を過ごすためには、効率的に仕事をこなすことが必要である。そのためには、毎日のやるべき仕事が明確になっている必要がある。少なくとも1週間の具体的仕事の内容は決まっているはずである。それを優先順位に従って、毎日の計画を立てる。そして、前日にはそれを確認し、実施計画を考える。積み残しを作らないよう、計画にしたがって、その日の予定はすべてその日に済ませるという習慣を身に付けなければいけない。それによって、毎日、新たな課題に取り組むことができる。そうすれば、精神衛生上もよい。

 

 仕事をしながら資格試験に挑戦する社会人受験生の場合は、さらに工夫が必要である。それと同時に、計画を実行するには強い意志が必要である。また。仕事は速いことが鉄則である。無用な時間をかけたからといっていい仕事ができる訳ではない。仕事が遅いというのは無能の証拠である。
 裁判の場合、準備書面の提出は、期日の1週間前が指定される場合が多いが、案外これが守られず、期日当日に書面が提出されるケースが少なくない。準備書面であればとりあえず書いてみる。その上で、散歩などの折、それでいいかどうか反芻してみる。机の前に座って考えているときとは違ったアイデアが出てきたり、論述の順序を変えた方が良かったりとか、意外な効用がある。完成までに1週間かける場合も、とりあえずの書面作成はせいぜい1~2日程度とし、残りは、散歩の時間等を利用した検討の時間にすべきである。考える時間の確保は、仕事に限らず極めて重要である。

 

 現在は、パソコン(ワープロ)は何事をするにも必須のツールである。仕事を効率的に処理するためには、パソコン、とりわけメールが使えることは必須の条件といってよい。パソコンとメールができない弁護士は、企業法務では使い物にならない。直接面談する場合以外は、ビジネスではほとんどがメールのやりとりである。メールが来てもパソコンでの文章作成ができなければ自分で返事が書けない。パソコンでの文章作成ができることによって、仕事の能率は全然違ってくる。そのうえ、ブラインドで文章が打てれば、事務効率は格段に上がる。指使いを学ぶソフトもあるようであるから、若い人たちには、正式な指使いを覚えることを強く勧める。

 

 効率的に仕事をこなすためには、単に文章を書くのが速いだけではダメである。読む力がなければならない。読む力は、すべての勉強の基本であり、仕事の基本である。ここでいう読む力は、読書のスピードと理解力である。世間では、いろいろな速読法が紹介されている。私も何冊か読んだ。速読法のおかげで資格が取れたなどというのもあるが、それらの資格は、格別速読法のお世話になる必要はないと思われるものばかりである。1ページ全体をカメラのようにみるとか、視点の移動をいかに速くするか等様々な方法が紹介されており、いろいろ試してみたが、結局何の役にも立たなかった。読む力をつけるためには、いろんな種類の本をできるだけ多く読む以外に方法はないというのが私の結論である。法律学、経営学等のビジネス書や小説、新聞等、読む対象によって読み方が違ってくる。新聞も結構分量があるが、朝刊を読むのに、30分もある通勤時間で読み切れないようでは到底効率的に仕事をこなすことなどできない。結局のところ、できるだけ多くの本を読んで、各人が、自分なりの読書法を身につけるしかないのではないかと思う。

以上

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