◇SH0435◇中国:外資系銀行に対する規制緩和 德地屋圭治(2015/09/30)

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中国:外資系銀行に対する規制緩和

長島・大野・常松法律事務所

弁護士 德地屋 圭 治

 中国における外資系銀行に対する規制としては、主として、外資銀行管理条例(「外資銀行条例」)、外資銀行管理条例実施細則(「外資銀行細則」)及び外資銀行行政許可事項実施弁法(「外資銀行弁法」)が制定されているが、中国における銀行業の対外開放をより推進するため、2014年末から2015年にかけて、これらの法規の改正が行われた(外資銀行条例は2014年11月27日改正公布・2015年1月1日施行、外資銀行細則は2015年7月1日改正公布・同年9月1日施行、外資銀行弁法は2015年6月5日改正公布・同日施行)。これにより、外資系銀行による中国市場の参入及び人民元取扱業務の運営に対する規制緩和が一部なされた。本稿では、当該規制緩和の主要な内容を紹介したい。

1.外資系銀行による中国市場の参入に対する規制緩和

(1) 外資独資銀行・中外合弁銀行・外国銀行支店の設立の条件

 従前、外国の銀行が中国で外資独資銀行を設立する場合、外国の銀行が中国合弁パートナーと中外合弁銀行を設立する場合又は外国の銀行が中国で支店を設立する場合には、これらの設立より前に、代表処を設立しておく必要があった。しかし、先行して代表処を設立するか否かについての外国銀行の判断を尊重するため、かかる規制は撤廃された。

(2) 外資独資銀行・中外合弁銀行による支店設立

 従前、外資独資銀行又は中外合弁銀行が中国で支店を設立する場合、本店は支店に対し、1億元以上の人民元又は同等の価値の自由交換貨幣により、無償で運転資金を拠出しなければならないとされていたが、本改正により、かかる規制は撤廃された。これにより、外資独資銀行、中外合弁銀行は実際の業務ニーズに応じ、支店に対し運転資金を効率的に配分することができるようになった。

2.外資系銀行による人民元取扱業務の運営に対する規制緩和

 従前、外資独資銀行、中外合弁銀行又は外国銀行支店が人民元取扱業務を運営する場合は、①国務院銀行業監督管理機構への認可申請前までに、中国で開業して3年間経過していなければならないこと、②申請前に2年連続で利益を出していること、③国務院銀行業監督管理機構が規定するその他の条件を満たすことが必要であった。しかし、本改正により、①の3年は1年に短縮され、②の条件は撤廃された。それに加え、外国銀行支店については、すでに一つの支店において人民元取扱業務の認可を得ていれば、当該外国銀行のその他の支店が人民元取扱業務を申請する場合、①の制限を受けないとされた。

 本改正により、外資独資銀行、中外合弁銀行又は外国銀行支店は、より短時間で、人民元取扱業務の運営を開始し、中国における銀行業務を発展させることができるようになった。

 

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