◇SH0531◇メキシコにおける主な法人形態 清水 恵(2016/01/25)

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メキシコにおける主な法人形態

西村あさひ法律事務所

弁護士 清 水   恵

 メキシコの会社法では、主として、出資者の有限責任の有無、持分譲渡の自由度、経営参加の程度に応じて、6種類の事業体が規定されているが、実務上、一般に利用されているのは、合同会社(Sociedad de Responsabilidad Limitada: S. de R.L.)と株式会社(Sociedad Anónima: S.A.)の2つの形態であり、特に日本企業による現地法人設立の場合には、株式会社(S.A.)によるのが通常である。

 合同会社(S. de R.L.)及び株式会社(S.A.)の主な特徴は以下のとおりである。

 なお、いずれの会社形態を選択した場合についても、定款変更を要さずに資本金を増減できる可変資本制度(Capital Variable: C.V.)を採用することが多い。

 

 

合同会社(S.de.R.L.

株式会社(S.A.

最低資本金

なし

なし

出資者の責任

有限責任

有限責任

持分・株式

  1. ・ 持分、証券は発行されない
  2. ・ 出資者は2名以上50名以下
  3. ・ 持分の譲渡は、資本の過半数の持分権者の同意を要し、また他の出資者は優先的購入権を有する
  4. ・ 新たな出資者の加入の場合も資本の過半数の持分権者の同意を要する
  1. ・ 株式
  2. ・ 株主は2名以上
  3. ・ 株式の譲渡は、定款で特段の規定がない限り、自由

機関

  1. ・ 最高意思決定機関は持分権者総会
  2. ・ 会社の経営は、単独の執行役員(gerente único)又は執行役員会(consejo de gerentes)に委任可能
  3. ・  任意で監査役を置くことも可能

 

  1. ・ 最高意思決定機関は株主総会
  2. ・ 1名以上の監査役(comisarios)が必要
  3. ・ 会社の経営は、株主により選任される単独の取締役(administrador único)又は取締役会(consejo de administración)に委任可能
  4. ・ 任意で執行役員を選任することも可能

総会の決議要件等

  1. ・ 持分権者総会の定足数は、原則、資本の50%であり、決議要件は出席持分権者の議決権の過半数の賛成である
  1. ・ 通常株主総会については、定足数は資本の50%であり、決議要件は、出席株主の議決権の過半数の賛成である
  2. ・ 通常総会は、事業年度終了後4ヶ月以内に開催され、決算の承認、取締役の選任、取締役報酬等について決議する
  3. ・ 特別株主総会は、定款変更、資本金額の変更、合併、優先株式の発行、清算等を決議する場合に開催される。定款でより高い比率を定めない限り、原則、定足数は資本の75%であり、決議要件は資本の50%以上の賛成である

 

以 上

 

(注)本稿は法的助言を目的とするものではなく、個別の案件については当該案件の個別の状況に応じ、日本法又は現地法弁護士の適切な助言を求めて頂く必要があります。また、本稿に記載の見解は執筆者の個人的見解であり、西村あさひ法律事務所又はそのクライアントの見解ではありません。

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