メキシコ

労働法

SH1267 メキシコにおける雇用契約の終了 梅田賢/松田瞳(2017/07/03)

メキシコに進出している日本企業は、その事業形態や、メキシコの連邦労働法(以下「労働法」という。)制上、原則として少なくとも90%の従業員がメキシコ人であることを要する旨の規制と相まって、多くのメキシコ人従業員を採用している。他方で、メキシコにおいては、メキシコの労働法特有の労働者保護的な性格やそれに基づく雇用関係の安定性の原則から、雇用契約を終了することが容易ではないとされており、メキシコに進出している日本企業が従業員との雇用契約の終了に際して、その対応に苦慮することも多い。
経済安保・通商政策

SH1103 トランプ政権発足とメキシコ投資環境(2) 松平定之/フェリックス・ポンセ・ナバ・コルテス(2017/04/10)

3月下旬に、NAFTA再交渉に関するUSTR(United States Trade Representative:米国通商代表部)の代表代行であるStephen Vaughn氏名義の連邦議会上下院宛の書簡の草案(以下「本草案」という。)[1]が明らかとなった。トランプ政権の報道官は、本草案について「現時点でのトランプ政権の見解を正確に表明したものではない」旨を述べたとされる[2]ものの、その内容は、NAFTA再交渉において米国が取り上げる議題のヒントを提供すると考えられるため、本論稿ではその内容を紹介する。
経済安保・通商政策

SH1081 トランプ政権発足とメキシコ投資環境(1) 松平定之/フェリックス・ポンセ・ナバ・コルテス(2017/03/27)

日本企業にとってメキシコ投資へのインセンティブの大きな要素として、1994年に発効した米国、メキシコ及びカナダの間のNAFTA(North America Free Trade Agreement:北米自由貿易協定)の下で、メキシコで製造した製品等を巨大な米国市場に関税等の障壁なく供給できることがある。
公益通報・腐敗防止・コンプライアンス

SH1024 メキシコの腐敗防止規制の概要(下) 平尾覚/梅田賢/細谷夏生(2017/02/20)

2016年7月、メキシコにおける腐敗防止体制[1]を強化するため、4つの新法[2]が制定され、3つの現行法が改正された。中でも、実務的影響が大きいと考えられるのは、2017年7月に施行が予定されている行政責任一般法(Ley General de Responsabilidades Administrativas)の制定である。 ⑵ 行政責任一般法の概要
公益通報・腐敗防止・コンプライアンス

SH1013 メキシコの腐敗防止規制の概要(上) 平尾覚/梅田賢/細谷夏生(2017/02/13)

メキシコは、Transparency Internationalが公表している世界腐敗認識指数において[1]、2016年には176か国中123位に位置づけられており、その腐敗度が高いことで知られている。そして、自動車関連産業を中心とする多くの日本企業がメキシコに進出している昨今、メキシコにおける腐敗防止規制は日本企業にとっても無視できない規制である。近年、メキシコは、腐敗防止に向けた種々の取組を行っており、エンリケ・ペニャ・ニエト大統領は、メキシコの腐敗状況を改善すべく、腐敗防止法令の改正に着手し、その一部は2016年に施行され
労働法

SH0966 メキシコにおける労働紛争手続に係る憲法改正案 梅田賢(2017/01/16)

近時多くの日本企業がメキシコに進出する中、メキシコ人の従業員を抱える日系企業にとって、労働問題は重要な懸案事項である。他方で、メキシコ憲法第123条は、労働者の保護を目的とした、非常に詳細な規定を定めており、メキシコの連邦労働法(以下、「労働法」という。)を含め[1]、メキシコの労働法制は労働者保護に厚いことで知られている。
競争法(独禁法)・下請法

SH0945 メキシコの企業結合規制 根立隆史(2016/12/26)

メキシコの企業結合の執行機関としては、連邦競争委員会(The Federal Economic Competition Commission)と連邦電気通信機関(The Federal Institute of Telecommunications)の2つが存在する。
不動産法

SH0935 メキシコの不動産制度とエネルギー事業のための活用手法(2) 松平定之/フェリックス・ポンセ・ナバ・コルテス(2016/12/19)

2013年の憲法改正は、石油ガスの生産及び電力サービスの提供が国家の優先課題であり、土地・土壌を利用するその他の事業(鉱業を含む)よりも基本的に優先することを明らかにした。そして、炭化水素法(LH)及び電力事業法(LIE)は、石油ガスの探査・採掘又は発電・送電・配電に関する許認可等を有する事業者が、事業活動を行う予定の土地(私有地、エヒード及び共同体不動産の3つの類型のいずれか)の所有者と協議し、利用するための法的な手続きを定めている。以下、当該手続きの内容について説明する。
不動産法

SH0922 メキシコの不動産制度とエネルギー事業のための活用手法(1) 松平定之/フェリックス・ポンセ・ナバ・コルテス(2016/12/12)

この憲法改正以前は、石油ガス事業について、国有の石油公社であるPEMEX(Petróleos Mexicanos)が独占し、民間事業者は、PEMEXから業務の委託を受けることは可能であったが、石油ガスの生産活動から得られる生産物や利益の共有を受けることは認められていなかった。また、電力事業についても、国営のCFE(Comision Federal de Electricidad)が独占し、民間事業者は、CFEの入札への参加を通じて発電事業への参入が限定的に認められるのみで、送配電・小売への参加は認められていなかった。
特許・商標・意匠・著作権

SH0888 メキシコの知的財産権制度の基礎 村田知信(2016/11/21)

メキシコは、知的財産に関する様々な条約・協定に積極的に加盟しており、国内法もそれらを反映して様々な知的財産の保護を規定している。  具体的には、特許・実用新案、意匠、商標、集積回路配置、営業秘密、著作物等の我が国で保護される知的財産については、メキシコでも概ね保護を規定する法律が存在する。また、その内容についても、我が国の知財実務担当者の目から見て比較的理解し易いものである。