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SH1512 アルゼンチン進出時の選択肢――新しい法人形態の登場(1) 古梶順也(2017/11/24)

組織法務商業・法人登記

アルゼンチン進出時の選択肢
――新しい法人形態の登場(1)――

西村あさひ法律事務所

弁護士 古 梶 順 也

 

1 はじめに

 2016年4月にデフォルト状態を解消して15年振りに国際金融市場に復帰し、マクリ政権による規制緩和・外資導入策の下で投資環境が整いつつあるアルゼンチンへの新規展開を検討している日本企業も少なくないと思われる。

 日本企業が、アルゼンチンに進出する際に採る方法のうち代表的なものとして、自ら現地に法人・支店を設立することや現地法人を買収することが考えられる。そこで、本稿においては、アルゼンチンにおける法人形態及び支店、特に近時新たに創設されたSociedad por Acciones Simplificada という新しい法人形態の概要について説明する。

 

2 法人形態[1]

 アルゼンチンでは法律上数種類の法人形態が認められているが、このうち、実務上最も利用されてきたのがSociedad de Responsabilidad Limitada (以下「SRL」という。)及びSociedad Anónima (以下「SA」という。)の2つの法人形態である。しかしながら、SRL及びSAは、いずれも最低2名以上の出資者/株主を有することが必要とされており、新たにアルゼンチンで法人を設立しようとする外国法人にとって、出資者/株主を2名以上とすることは、後記(5)の外国法人登録との関係で少なくない負担となっていた[2]。そこで、近時新しい法人形態として、Sociedad por Acciones Simplificada (以下「SAS」という。)が創設された。SASは、2017年9月1日からブエノスアイレス自治市において利用可能となった新しいタイプの法人形態であり[3]、株主が1名でも問題ないほか、柔軟性やコスト面でも他の法人形態と比較して有利であるため、今後活用事例が増えるのではないかと考えられている[4]。本稿においてはこれらの3つの法人形態の概要について説明する。

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