コロンビアにおける主な法人形態
西村あさひ法律事務所
弁護士 平 尾 覚
1 はじめに
コロンビアで恒久的な経済活動を行おうとする外国企業は、国内の拠点を設立する必要がある(コロンビア商法第8編第471条)。事業体の形態としては、①合名会社(Sociedad Colectiva)、②合資会社(Sociedad en Comandia Por Acciones o Simple)、③株式会社(Sociedad Anonima)、④合同会社(Sociedad de Responsabilidad Limitada)、⑤匿名組合(Sociedad de hecho)、⑥簡易型株式会社(Sociedad por Acciones Simplificada)、⑦個人企業(Empresa Unipersonal)、⑧支店(Sucursal)がある[1]。
2 簡易型株式会社について
コロンビアにおける特徴的な会社形態は、簡易型株式会社である。簡易型株式会社は、フランスのモデルを参考にした会社形態であるといわれているが、株式会社に比して機関設計の自由度等は高く、外国企業がコロンビアで事業拠点を設ける際には利用しやすい会社形態となっており、日本企業による活用例も多い。株式会社と簡易型株式会社の比較は以下のとおりである。
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株式会社 |
簡易型株式会社 |
必要株主数等 |
5名以上の株主が必要 いずれの株主も当該株式会社の発行済株式(自己株式を除く)の95%以上を保有してはならない。 |
1名以上 |
機関 |
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3 支店について
支店を設置するには、割当資本、事業目的、執行役員及び会計監査人等を定める必要がある(支店設立時に資本の全額が払い込まれている必要がある。)。また、コロンビアに支店を設置する旨の本社承認機関の承認書の写し等にアポスティーユを取得し、登録をする必要がある(スペイン語訳も必要となる。)。
以 上
[1] 他の国のように、外国企業が駐在員事務所を設けて恒久的な経済活動を行うことは許されず、法人を設立しないのであれば、支店を開設する必要がある。
(注)本稿は法的助言を目的とするものではなく、個別の案件については当該案件の個別の状況に応じ、日本法又は現地法弁護士の適切な助言を求めて頂く必要があります。また、本稿に記載の見解は執筆者の個人的見解であり、西村あさひ法律事務所又はそのクライアントの見解ではありません。