SH0976 コロンビアにおけるM&A 高木智宏(2017/01/23)

組織法務M&A・組織再編(買収防衛含む)

コロンビアにおけるM&A

西村あさひ法律事務所

弁護士 高 木 智 宏

 

1 はじめに

 コロンビアにとって2016年は転機となる年であった。コロンビアにおいては、左翼ゲリラ組織であるコロンビア革命軍(FARC)と政府との間で50年以上に亘り紛争が続けられてきたが、サントス現大統領が2010年に就任すると、コロンビア政府とFARCは、2012年10月に和平交渉を開始し、2016年に和平合意に達した。当初の和平合意案は、対FARC強硬派の反対により、同年10月の国民投票で否決されたが、犠牲者への補償などを修正した新しい和平案をまとめ、同年11月に議会において承認された。これを受け、FARCの武装解除が始まる見通しである。FARCと政府との間の紛争は、コロンビアに進出し又は進出を検討しようとしている日本を含む外国企業にとっても治安上の大きな懸念材料であったが、上記の通り和解合意に至ったことから、外国企業によるコロンビアでのM&A取引が今後益々活発化することが期待される。

 

2 M&Aのストラクチャー

 コロンビアの会社等を対象とするM&Aの主な手法は、以下の通りである。なお、コロンビアにおける法人形態については、SH0547 コロンビアにおける主な法人形態 平尾 覚(2016/02/08)を参照されたい。

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