メタバースをめぐる法的課題への対応に関する官民連携会議の動向(続報⑤)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所*
弁護士 後 藤 未 来
弁護士 中 崎 尚
弁護士 中 島 滉 平
1 はじめに
「メタバース上のコンテンツ等をめぐる新たな法的課題への対応に関する官民連携会議」(以下「本官民連携会議」という。)は、本年5月23日、3つの分科会におけるこれまでの議論とパブリックコメントの内容等を踏まえて、「メタバース上のコンテンツ等をめぐる新たな法的課題等に関する論点の整理」(以下「本論点整理」という。)を発表した[1]。本稿では、筆者らによる前五稿[2]の続報として、本論点整理の概要や今後の対応方針を概観する。なお、本論点整理により示された法的な考え方や対応策の具体的な内容については、筆者らの前二稿も参照されたい。
2 本論点整理の概要
⑴ 第一分科会
第一分科会では、現実空間と仮想空間を交錯する知財利用、仮想オブジェクトのデザイン等に関する権利の取扱いについて、「仮想空間における知財利用と権利者の保護」と「メタバース上の著作物利用等にかかる権利処理」というテーマに大別し、それぞれ課題とその対応策が整理された。概要は以下のとおりである。
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(ごとう・みき)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所パートナー、弁護士・ニューヨーク州弁護士。理学・工学のバックグラウンドを有し、知的財産や各種テクノロジー(IT、データ、エレクトロニクス、ヘルスケア等)、ゲーム等のエンタテインメントに関わる案件を幅広く取り扱っている。ALB Asia Super 50 TMT Lawyers(2021、2022)、Chambers Global(IP分野)ほか選出多数。AIPPIトレードシークレット常設委員会副議長、日本ライセンス協会理事。
(なかざき・たかし)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所スペシャルカウンセル。東京大学法学部卒、2001年弁護士登録(54期)、2008年米国Columbia University School of Law (LL.M.)修了、2009年夏まで米国ワシントンD.C.のArnold & Porter法律事務所に勤務。復帰後は、インターネット・IT・システム関連を中心に、知的財産権法、クロスボーダー取引を幅広く取扱う。日本国際知的財産保護協会編集委員、経産省おもてなしプラットフォーム研究会委員、経産省AI社会実装アーキテクチャー検討会作業部会構成員、経産省IoTデータ流通促進研究会委員、経産省AI・データの利用に関する契約ガイドライン検討会委員、International Association of Privacy Professionals (IAPP) Co-Chairを歴任。2022年より内閣府メタバース官民連携会議委員。
(なかしま・こうへい)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所アソシエイト。2020年早稲田大学法学部卒業。2022年弁護士登録(東京弁護士会)。
アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業 https://www.amt-law.com/
<事務所概要>
アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業は、日本における本格的国際法律事務所の草分け的存在からスタートして現在に至る、総合法律事務所である。コーポレート・M&A、ファイナンス、キャピタル・マーケッツ、知的財産、労働、紛争解決、事業再生等、企業活動に関連するあらゆる分野に関して、豊富な実績を有する数多くの専門家を擁している。国内では東京、大阪、名古屋に拠点を有し、海外では北京、上海、香港、シンガポール、ホーチミン、バンコク、ジャカルタ等のアジア諸国に拠点を有する。
<連絡先>
〒100-8136 東京都千代田区大手町1-1-1 大手町パークビルディング
* 「アンダーソン・毛利・友常法律事務所」は、アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業および弁護士法人アンダーソン・毛利・友常法律事務所を含むグループの総称として使用