SH4516 経済安全保障分野におけるセキュリティ・クリアランス制度等に関する有識者会議による中間論点整理の公表 中崎尚/松本拓/石川雅人(2023/06/27)

組織法務経済安保・通商政策

経済安全保障分野におけるセキュリティ・クリアランス制度等に
関する有識者会議による中間論点整理の公表

アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業

弁護士 中 崎   尚

弁護士 松 本   拓

弁護士 石 川 雅 人

 

1 はじめに

 2023年6月6日、内閣官房より、経済安全保障分野におけるセキュリティ・クリアランス制度等に関する有識者会議(以下「有識者会議」という。)による中間論点整理(以下「中間論点整理」という。)が公表された[1]

 セキュリティ・クリアランス制度とは、国家における情報保全措置の一環として、政府が保有する安全保障上重要な情報として指定された情報(以下「CI」(Classified Information)という。)にアクセスする必要がある者(政府職員および必要に応じ民間事業者等の従業者)に対して政府による調査を実施し、当該者の信頼性を確認した上でアクセスを認める制度である。

 

出典:「中間論点整理」(内閣官房、2023年6月6日)12頁

 

 2022年5月に成立した経済安全保障推進法の附帯決議や同年12月に閣議決定された国家安全保障戦略を踏まえ、2023年2月に開催された第4回経済安全保障推進会議において、岸田内閣総理大臣から、有識者会議を立ち上げ、今後1年程度を目途に可能な限り速やかに検討作業を進めるよう指示があった。有識者会議は、同指示を受け、同年2月下旬に設置された。中間論点整理は、過去6回にわたる有識者会議の委員の検討の結果を中間的に整理したものである。

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(なかざき・たかし)

アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業スペシャルカウンセル。東京大学法学部卒、2001年弁護士登録(54期)、2008年米国Columbia University School of Law (LL.M.)修了、2009年夏まで米国ワシントンD.C.のArnold & Porter法律事務所に勤務。復帰後は、インターネット・IT・システム関連を中心に、知的財産権法、クロスボーダー取引を幅広く取扱う。日本国際知的財産保護協会編集委員、経産省おもてなしプラットフォーム研究会委員、経産省AI社会実装アーキテクチャー検討会作業部会構成員、経産省IoTデータ流通促進研究会委員、経産省AI・データの利用に関する契約ガイドライン検討会委員、International Association of Privacy Professionals (IAPP) Co-Chairを歴任。2022年より内閣府メタバース官民連携会議委員。

 

(まつもと・たく)

アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業パートナー(弁護士・ニューヨーク州弁護士)。主要な業務分野は、①M&A・投資、②経済安全保障・通商、③アウトバウンド・インバウンド、④スタートアップ法務・投資、⑤ウェルス・マネジメント及び⑥競争法関連。2012年インドネシアのSSEK法律事務所勤務、2016年コロンビア大学・ロースクール(LLM)修了、2016年~2017年米国のSeward & Kissel法律事務所勤務。
https://www.amt-law.com/professionals/profile/TUM

 

(いしかわ・まさと)

アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業アソシエイト。2010年東京大学法学部卒業。2010年警察庁入庁(~2021年)。2017年京都府警察本部警備部外事課長。2022年弁護士登録(第一東京弁護士会)。危機管理・不正調査、経済安全保障等を取り扱う。

 

アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業 https://www.amt-law.com/

<事務所概要>
アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業は、日本における本格的国際法律事務所の草分け的存在からスタートして現在に至る、総合法律事務所である。コーポレート・M&A、ファイナンス、キャピタル・マーケッツ、知的財産、労働、紛争解決、事業再生等、企業活動に関連するあらゆる分野に関して、豊富な実績を有する数多くの専門家を擁している。国内では東京、大阪、名古屋に拠点を有し、海外では北京、上海、香港、シンガポール、ホーチミン、バンコク、ジャカルタ等のアジア諸国に拠点を有する。

<連絡先>
〒100-8136 東京都千代田区大手町1-1-1 大手町パークビルディング

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