シンガポール:公正証書作成手続の電子化制度の導入(2)
長島・大野・常松法律事務所
弁護士 松 本 岳 人
(承前)
3 電子化制度の導入に伴うその他の影響
電子化された公正証書は、あくまで公証のための一つの手段であり、電子的な公証が強制されるものではない。そのため、従来どおり、公証人の面前で、紙媒体に手書きで署名する方法での公証を行うことも引き続き可能である。また、政府機関や公証人に電子的な公証方法を採用することを強制するものではなく、シンガポール憲法に基づく一定の宣誓等手続の厳粛性や荘厳性等により物理的な存在を確認する重要性が高いものについては、電子化された公正証書を利用する手続が認められない可能性もある。
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(まつもと・たけひと)
2005年慶應義塾大学法学部法律学科卒業。2007年慶應義塾大学大学院法務研究科修了。2008年に長島・大野・常松法律事務所に入所後、官庁及び民間企業への出向並びに米国留学を経て、2017年から2020年まで長島・大野・常松法律事務所シンガポール・オフィス勤務。現在は、日本及び東南アジア地域での不動産・インフラ関係の案件を中心に企業法務全般についてアドバイスを行っている。
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