次世代医療基盤法の政省令等の改正案に係る
パブリックコメントの実施
アンダーソン・毛利・友常法律事務所*
弁護士 龍 野 滋 幹
弁護士 中 山 希
1 はじめに
2024年1月12日、内閣府は、次世代医療基盤法の基本方針および政省令の改正案(概要)ならびにガイドラインの改正案(全文)を公表し、意見募集を開始した[1]。これらの改正案はいずれも、2023年5月26日に公布された次世代医療基盤法(改正後の正式名称は「医療分野の研究開発に資するための匿名加工医療情報及び仮名加工医療情報に関する法律」という。)の改正に伴い公表されたものであり、意見募集は2024年2月10日まで行われる。
改正法においては大きく以下の3点が改正されたが、本稿では、特に実務上の意義が大きいと考えられる、仮名加工医療情報の利活用に係る仕組みの創設に関し、重要なポイントを紹介する。
① 仮名加工医療情報の利活用に係る仕組みの創設
② NDB等の公的データベースとの連結
③ 医療情報の利活用推進に関する施策への協力
2 仮名加工医療情報利用事業者の認定
仮名加工医療情報については、現行法における匿名加工医療情報とは異なり、ほかの情報と照合することにより特定の個人を識別することも可能となり得る情報であることを踏まえ、国が認定した利用事業者に限って提供を受けることが可能とされている。
この記事はプレミアム向け有料記事です
続きはログインしてご覧ください
(たつの・しげき)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所パートナー。2000年東京大学法学部卒業。2002年弁護士登録(第二東京弁護士会)、当事務所事務所入所。2007年米国ニューヨーク大学ロースクール卒業(LL.M.)、2008年ニューヨーク州弁護士登録、2007年~2008年フランス・パリのHerbert Smith法律事務所にて執務。2014年から東京大学大学院薬学系研究科・薬学部「ヒトを対象とする研究倫理審査委員会」審査委員。国内外のM&A、ジョイント・ベンチャー、投資案件やファンド組成・投資、AI・データ等の関連取引・規制アドバイスその他の企業法務全般を取扱っている。週刊東洋経済2020年11月7日号「「依頼したい弁護士」分野別25人」のM&A・会社法分野で特に活躍が目立つ2人のうち1人として選定。
(なかやま・のぞみ)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所アソシエイト。2015年東京大学法学部卒業。2017年早稲田大学法科大学院卒業。2018年弁護士登録(第一東京弁護士会)。2022年から2023年の間、内閣府 健康・医療戦略推進事務局に出向し、次世代医療基盤法の改正に携わる。
アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業 https://www.amt-law.com/
<事務所概要>
アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業は、日本における本格的国際法律事務所の草分け的存在からスタートして現在に至る、総合法律事務所である。コーポレート・M&A、ファイナンス、キャピタル・マーケッツ、知的財産、労働、紛争解決、事業再生等、企業活動に関連するあらゆる分野に関して、豊富な実績を有する数多くの専門家を擁している。国内では東京、大阪、名古屋に拠点を有し、海外では北京、上海、香港、シンガポール、ホーチミン、バンコク、ジャカルタ等のアジア諸国に拠点を有する。
<連絡先>
〒100-8136 東京都千代田区大手町1-1-1 大手町パークビルディング
* 「アンダーソン・毛利・友常法律事務所」は、アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業および弁護士法人アンダーソン・毛利・友常法律事務所を含むグループの総称として使用