アンチダンピング税に係る迂回防止制度の創設に向けた検討
アンダーソン・毛利・友常法律事務所*
弁護士 髙 嵜 直 子
弁護士 本 郷 あずさ
1 はじめに
財務省関税・外国為替等審議会(以下「審議会」という。)は2024年11月26日、アンチダンピング税に係る迂回防止制度の創設等について議論を行った[1] [2]。一定の安い価格の輸入品については、関税定率法等に基づき、輸出者に対してアンチダンピング税を課すことができる。しかし、輸出ルートや輸出貨物の仕様を変更するなどして、形式的に課税範囲から外れる「迂回行為」が行われ、アンチダンピング税を潜脱されることへの懸念がある。こうした迂回行為への対応を求める事業者や産業界の声に応じ、審議会では迂回防止制度創設に向けて検討を開始している。本稿では、アンチダンピング税および審議会で提案された迂回防止制度の案について概説する。
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(たかさき・なおこ)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所スペシャルカウンセル。2004年東京大学法学部卒業。2006年東京大学法科大学院卒業。2007年弁護士登録(第一東京弁護士会)。2012年Stanford School of Law(LL.M.)修了。2013年ニューヨーク州弁護士登録。インドネシア及びシンガポールの大手法律事務所、経済産業省通商政策局国際経済紛争対策室への出向経験を有する。主な業務取扱分野は、WTO/国際通商法務、海外事業展開の支援等。
(ほんごう・あずさ)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所アソシエイト。2016年名古屋大学法学部卒業。2018年名古屋大学法科大学院卒業。2019年弁護士登録。2021年大阪弁護士会へ登録換え。主な取扱業務は、競争法、国際通商及び経済安全保障、サステナビリティ法務、海外法務等。
アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業 https://www.amt-law.com/
<事務所概要>
アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業は、日本における本格的国際法律事務所の草分け的存在からスタートして現在に至る、総合法律事務所である。コーポレート・M&A、ファイナンス、キャピタル・マーケッツ、知的財産、労働、紛争解決、事業再生等、企業活動に関連するあらゆる分野に関して、豊富な実績を有する数多くの専門家を擁している。国内では東京、大阪、名古屋に拠点を有し、海外では北京、上海、香港、シンガポール、ハノイ、ホーチミン、バンコク、ジャカルタ等のアジア諸国およびロンドン、ブリュッセルに拠点を有する。
<連絡先>
〒100-8136 東京都千代田区大手町1-1-1 大手町パークビルディング
* 「アンダーソン・毛利・友常法律事務所」は、アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業および弁護士法人アンダーソン・毛利・友常法律事務所を含むグループの総称として使用