知的財産戦略本部、「知的財産推進計画 2024」の
策定に向けた意見募集を開始
アンダーソン・毛利・友常法律事務所*
弁護士 清 水 亘
弁護士 清 水 ゆうか
1 はじめに
内閣府知的財産戦略本部は、「知的財産推進計画 2024」の策定に向け、令和6年2月26日(月)から令和6年3月27日(水)まで、意見募集を行うことを決定した。知的財産推進計画は、知的財産基本法に基づき、知的財産戦略の推進の一環として毎年策定されるものである。近年、国内外の社会経済情勢の変化に伴い、わが国の産業の国際競争力の強化を図る必要性が増大している。わが国の国際競争力の強化には、知的財産をいかに有効に活用するかが一つの鍵となる。今回、国内外から多面的な意見を募ることで、知的財産戦略の推進に向けたより深い検討が図られる。以下では、知的財産推進計画および今回の意見募集の主眼について概説する。
2 知的財産推進計画について
⑴ 知的財産推進計画とは
知的財産推進計画は、知的財産基本法23条に基づき、内閣府知的財産戦略本部により決定される、政府全体の知的財産推進計画である。知的財産基本法は、新たな知的財産の創造およびその効果的な活用による付加価値の創出を基軸とする活力ある経済社会を実現することを目的とする(知的財産基本法1条)。この法の目的を達成する一手段として、知的財産推進計画の策定が知的財産戦略本部に義務付けられた。知的財産推進計画は、2003年に知的財産戦略本部が設置されて以来、現在に至るまで、毎年策定されている[1]。
⑵ 知的財産推進計画に定められる事項
知的財産推進計画には、以下のような知的財産の創造、保護および活用に関する事項を記載することが必要とされる(知的財産基本法23条2項)。
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(しみず・わたる)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所パートナー。東京大学法学部卒業。2005年弁護士登録(第一東京弁護士会。2012年愛知県弁護士会に登録替え)。主な取扱い分野は、知的財産法、テクノロジー法。
(しみず・ゆうか)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所アソシエイト。2022年慶應義塾大学法学部卒業。2023年弁護士登録(第一東京弁護士会)。
アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業 https://www.amt-law.com/
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