サステナビリティ基準委員会、サステナビリティ開示基準の公開草案を公表
アンダーソン・毛利・友常法律事務所*
弁護士 宮 川 賢 司
弁護士 香 川 遼太郎
弁護士 藏 野 舞
1 はじめに
⑴ サステナビリティ基準委員会(Sustainability Standards Board of Japan(以下「SSBJ」という。))は、2024年3月29日、以下の3つの草案(以下総称して「本公開草案」という。)を公表した。
- サステナビリティ開示ユニバーサル基準公開草案「サステナビリティ開示基準の適用(案)」(以下「ユニバーサル基準」という。)
- サステナビリティ開示テーマ別基準公開草案第1号「一般開示基準(案)」(以下「テーマ別基準第1号」という。)
- サステナビリティ開示テーマ別基準公開草案第2号「気候関連開示基準(案)」(以下「テーマ別基準第2号」という。)
⑵ SSBJは、国際サステナビリティ基準審議会(International Sustainability Standards Board(以下「ISSB」という。))が国際的なサステナビリティ開示基準の開発を目的として設立されたことに伴い、国内基準の開発等を目的として設立された組織であり、ISSBは2023年6月に最初の基準として「全般的な開示要求事項(S1基準)」および「気候関連開示基準(S2基準)」(以下「IFRS S1/S2基準」と総称する。)を公表している[1]。SSBJは、IFRS S1/S2基準に相当する基準の開発のために検討を重ね、本公開草案の公表に至った。なお、本公開草案の公表は、広く意見を募集することを目的としており、2024年7月31日まで本公開草案に対する意見募集が実施される[2]。
本稿では、気候変動の側面に着目して本公開草案の概要について解説する。
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(みやがわ けんじ)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所スペシャル・カウンセル弁護士。1997年慶應義塾大学法学部卒業。2000年弁護士登録(第二東京弁護士会)。2004年ロンドン大学(University College London)ロースクール(LLM)修了。2019年から慶應義塾大学非常勤講師(Legal Presentation and Negotiation)。国内外の金融取引、不動産取引、気候変動関連法務および電子署名等のデジタルトランスフォーメーション関連法務を専門とする。
(かがわ・りょうたろう)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所アソシエイト。早稲田大学法学部卒業。2022年弁護士登録(東京弁護士会)。執筆として「非化石証書の制度と実務」NBL1253号(2023)等。
(くらの・まい)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所アソシエイト。2018年国際基督教大学教養学部卒業。2021年一橋大学法科大学院卒業。2022年弁護士登録(第一東京弁護士会)。
アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業 https://www.amt-law.com/
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