SH4988 人的資本経営の実践と情報開示の実務対応 第28回:人的資本への投資と競争力のつながりの明確化(統合的ストーリーの構築)の続きと開示内容への落とし込み 堀田陽平(2024/06/24)

組織法務ディスクロージャー経営・コーポレートガバナンス

人的資本経営の実践と情報開示の実務対応
第28回 人的資本への投資と競争力のつながりの明確化
(統合的ストーリーの構築)の続きと開示内容への落とし込み

日比谷タックス&ロー弁護士法人

弁護士 堀 田 陽 平

 

第3部 人的資本の可視化
 第28回 人的資本への投資と競争力のつながりの明確化(統合的ストーリーの構築)
      の続きと開示内容への落とし込み

【今回の狙い】

 今回は、人的資本の可視化のスタートとなる「統合的ストーリ―の構築」の続きと、統合的ストーリーの開示内容への落とし込みについて解説します。

 

【今回の主なターゲット】

  • 取締役会、取締役会事務局
  • 経営戦略部門
  • IR部門

 

1 前回の振り返り

 前回、経営戦略と人材戦略の統合的ストーリーを検討する際のフレームワークの一つである「価値協創ガイダンス2.0」についてポイントを解説しました。

 今回は、人的資本可視化指針で参照すべきとされているもう一つのフレームワークを紹介し、統合的ストーリーの落とし込みについて解説していきます。

 

2 統合的ストーリー検討のもう一つのフレームワーク

 人的資本可視化指針では、経営戦略と人材戦略との統合的ストーリーを構築するにあたって、価値協創ガイダンス2.0の他に、もう一つのフレームワークとして、IIRC(国際統合報告評議会)のフレームワークを示しています。

 

図1 IIRCのフレームワーク

出典:IIRC「国際統合報告<IR>フレームワーク」(2021年1月)21頁および
内閣官房「人的資本可視化指針」(2022年8月)12頁をもとに作成

 

 IIRCのフレームワークも、人的資本可視化指針と同様に、原則主義に立ったうえで、人的資本を含む6つの資本(人的資本、財務資本、製造資本、知的資本、社会・関係資本、自然資本)とビジネスモデルとの関係性を整理し、人的資本に関するインプットが事業活動を通じてどのようなアウトプットにつながり、更にどのようなアウトカム(短、中、長期にわたる正および負の影響)につながるのか、他の資本との関係性を含めて統合的に説明していく上で効果的なフレームワークになっています。

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(ほった・ようへい)

2016年弁護士登録(第69期。第二東京弁護士会)。2017年鳥飼総合法律事務所入所。
2018年7月現在の事務所へ移籍。2018年10月から経済産業省経済産業政策局産業人材政策室(当時。現在は「課」)に任期付き職員として着任。
経済産業省では、兼業・副業の推進、テレワークの推進、フリーランス政策等の柔軟な働き方に関する政策立案や、人材版伊藤レポートの策定等の人的資本経営の推進に関する政策立案等に従事。経済産業省から帰任後も人的資本経営の実践・開示に関するセミナーや寄稿を行う。

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