重要経済安保情報保護活用諮問会議(第4回)
――情報指定および管理等について――
アンダーソン・毛利・友常法律事務所*
弁護士 鈴 木 潤
1 はじめに
2024年5月に成立した経済安全保障分野における新たなセキュリティ・クリアランス制度を創設する重要経済安保情報保護活用法[1]において、政府は、重要経済安保情報の指定およびその解除、適正評価の実施ならびに適合事業者の認定に関し、有識者(重要経済安保情報保護活用諮問会議。以下「諮問会議」という。)の意見を聴いた上で運用基準を策定することとしている(法18条1項)。政府は2024年6月に第1回会合を開催して以降、月に1回のハイペースで諮問会議を開催してきており、2024年の冬頃には運用基準および関連政令案を策定してパブリックコメントに付した後、年内を目途にこれらの閣議決定を行うことを目指している[2]。
本稿では、諮問会議の事務局(内閣府政策統括官(経済安全保障担当))が提示した案に基づき、2024年9月12日に開催された第4回諮問会議における議論の状況について説明する。なお、重要経済安保情報保護活用法の概要については「経済安保情報保護法および改正経済安全保障推進法の成立」[3]、諮問会議の概要については「重要経済安保情報保護活用諮問会議の開催」[4]において整理されており、こちらをご参照いただきたい。
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(すずき・じゅん)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所スペシャル・カウンセル。2004年慶應義塾大学法学部卒業。2006年立命館大学法科大学院卒業。2009年弁護士登録(第一東京弁護士会)。2015年米国ジョージ・ワシントン大学ロースクール(LL.M.)修了。2017年ニューヨーク州弁護士登録。2024年7月まで2年間、外務省総合外交政策局経済安全保障政策室において、経済安全保障推進法、外為法、重要土地等調査法、重要経済安保情報保護活用法等の設計や運用にかかる体制整備等を担当。それ以前は、日系事業会社の本社及び米国グループ会社の法務部において経済安全保障部門の立ち上げに関与した他、グループ全体の経済安全保障に関するコンプライアンス体制の整備、投資案件等の個別案件を担当。
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