SH5152 知的財産権侵害による輸入差止の最新動向 後藤未来/山本浩子(2024/10/22)

取引法務特許・商標・意匠・著作権

知的財産権侵害による輸入差止の最新動向

アンダーソン・毛利・友常法律事務所*

弁護士・弁理士 後 藤 未 来

弁護士 山 本 浩 子

 

1 はじめに

 財務省は、2024年1月から6月にかけて、全国の税関による知的財産権の侵害を理由とする輸入差止件数が1万8,153件(前年同期比16.2%増、9年ぶりに過去最多を更新。)、差止点数が729,549点(前年同期比5.6%増、2年連続で60万点を上回った。)であったと発表した[1]

 知的財産別では、商標権侵害物品が引き続き全体の大半を占め、仕出国別の割合としては、中国を仕出しとするものが最多、輸送形態別では、郵便物が大半を占めている。

 

出典:財務省ホームページ[2]

 

 差止件数の増加の背景としては、2022年10月の改正関税法の施行で、海外事業者から送られる模倣品は個人で使用する場合でも取締りの対象となったことなどが考えられる。

 以下では、知的財産権侵害物品の輸入差止手続の流れを概観した上で、2022年10月施行の関税法改正の概要を紹介する。

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(ごとう・みき)

アンダーソン・毛利・友常法律事務所パートナー、弁護士・ニューヨーク州弁護士。理学・工学のバックグラウンドを有し、知的財産や各種テクノロジー(IT、データ、エレクトロニクス、ヘルスケア等)、ゲーム等のエンタテインメントに関わる案件を幅広く取り扱っている。ALB Asia Super 50 TMT Lawyers(2021、2022)、Chambers Global(IP分野)ほか選出多数。AIPPIトレードシークレット常設委員会副議長、日本ライセンス協会理事。

 

(やまもと・ひろこ)

アンダーソン・毛利・友常法律事務所アソシエイト。2022年京都大学法学部卒業。2023年弁護士登録(第一東京弁護士会)。

 

アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業 https://www.amt-law.com/

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