最三小決令和5年2月20日 貸金業法違反、出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律違反被告事件(宇賀克也裁判長)
【判示事項】
債権譲渡の対価としてされた金銭の交付が貸金業法2条1項と出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律5条3項にいう「貸付け」に当たるとされた事例
【決定要旨】
債権譲渡の対象が労働者の使用者に対する賃金債権であり、譲受人は、自ら使用者に対して支払を求めることは許されず、実際には債権を買い戻させることなどにより労働者から資金を回収するほかなく、労働者は、事実上自ら債権を買い戻さざるを得なかったなどの判示の事情(判文参照)の下では、譲受人から労働者に対する金銭の交付は、形式的には、債権譲渡の対価としてされたものであり、使用者の不払の危険を譲受人が負担するとされていたとしても、貸金業法2条1項と出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律5条3項にいう「貸付け」に当たる。
【参照法条】
貸金業法2条1項、出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律5条3項、7条、労働基準法24条1項
【事件番号等】
令和4年(あ)第288号 最高裁判所令和5年2月20日決定(刑集第77巻2号13頁)棄却
原 審:令和3年(う)第125号 札幌高裁令和4年2月15日判決
第1審:旭川地裁令和3年9月6日判決
【判決文】
https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=91800
【解説文】
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