中国:ライブ配信マーケティングに関する法的規制(上)
長島・大野・常松法律事務所
弁護士 德地屋 圭 治
顧問 鄧 瓊
1 はじめに
中国において、ライブ配信マーケティングとは、インターネットサイト、アプリ、ミニプログラムなどを通じて、ビデオライブ、オーディオライブ、画像文書ライブ、又はこれらを組み合わせた形式で行われるマーケティング活動を指すが[1](ライブ配信マーケティングでは、消費者に対し配信者(「ライバー」)が商品推薦・商品紹介をしたり、ライブ配信中の他の視聴者とのインタラクションの機会を与えたりする)、中国におけるライブ配信マーケティングは、2016年以来、大きな成長を経て、2023年にはライブコマースユーザー(配信マーケティングを見て商品を購入するユーザー)の規模が5.26億人に達し、取引規模は4兆9168億元に至っている[2]。
このようなライブ配信マーケティングについては、近時諸種の法的規制が制定されてきている(別紙1参照)。中国でBtoCビジネスを行う日本企業としては、マーケティングの選択肢として検討する価値はあるが、日本では中国のライブ配信マーケティングの法的規制の状況はあまり知られていないことから、本稿で紹介することとする。
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(とくじや・けいじ)
長島・大野・常松法律事務所パートナー、上海オフィス一般代表。2003年東京大学法学部卒業。第二東京弁護士会所属。2011年University of California, Berkeley, School of Law卒業(LL.M.)、2013年Peking University Law School卒業(LL.M.)。豊富な海外法務の経験を有する(Zhong Lun、Lee and Liで研修)。
M&Aを中心に国内企業法務分野を取り扱うとともに、海外(中国大陸・台湾を含む)の企業の買収、海外企業との紛争解決、現地日系企業に関するコンプライアンス、危機管理・不祥事対応等企業法務全般に関して日本企業に助言を行っている。
(Qiong・Deng)
西南政法大学民商法学部卒業及び大学院修了(法学修士)。現在長島・大野・常松法律事務所上海オフィスの顧問として一般企業法務、M&A及び企業再編、個人情報・データ保護を中心に幅広い分野を取り扱っている。
長島・大野・常松法律事務所 http://www.noandt.com/
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