SH5250 米財務省、CFIUSの執行権限を強化する最終規則を公布 藤田将貴/鈴木潤/佐藤重男(2024/12/20)

組織法務経済安保・通商政策

米財務省、CFIUSの執行権限を強化する最終規則を公布

アンダーソン・毛利・友常法律事務所*

弁護士 藤 田 将 貴

弁護士 鈴 木   潤

弁護士 佐 藤 重 男

 

1 はじめに

 米財務省は、2024年11月18日、対米外国投資委員会[1](以下「CFIUS」という。)の議長として、CFIUSの罰則・執行権限を強化する最終規則[2](以下「本規則」という。)を公表した[3]。本規則は、CFIUSの根拠法である1950年国防生産法[4]721条を改正した2018年外国投資リスク審査近代化法[5](以下「FIRRMA」という。)の施行以来初となる、CFIUSの監視・執行に関する実質的改正であり、2024年12月26日に効力が発生する[6]

 今後、CFIUSは、本規則に従って活動することになるため、本規則は、実務上重要である。

 以下では、前提知識として、CFIUSの権限等について概観した上で、本規則の内容を概説する。なお、不動産取引審査に関しても、近時、規則の改正等の重要な動きがみられるため、その点にも適宜言及する。

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(ふじた・まさき)

アンダーソン・毛利・友常法律事務所パートナー。2003年早稲田大学法学部卒業。2006年京都大学法科大学院修了。2007年弁護士登録(東京弁護士会)。2016年University of California, Berkeley(LL.M.)修了。2017年ニューヨーク州弁護士登録。大手総合商社法務部への出向経験を有する。国内外の経済安全保障・通商、M&A、事業再生分野を中心に取り扱う。主な著書・論文:『英文M&Aドラフティングの基礎』(共著)(金融財政事情研究会、2023)、「米国の経済制裁の基礎知識と実務対応のポイント」(Business Lawyers(ウェブサイト)、2022)、「経済安全保障分野におけるセキュリティ・クリアランス制度を創設する法案の閣議決定」(商事法務ポータル、2024)、「欧州委、経済安全保障を強化するための5つのイニシアチブを公表」(商事法務ポータル、2024)、「米国による懸念国向け半導体関連輸出規制の強化」(商事法務ポータル、2023)、「米財務省 CFIUS2022年次報告書を公表」(商事法務ポータル、2023)、「米財務省、マネーロンダリング防止法および制裁法違反によりバイナンスと合計約43.7億ドルの制裁金支払いで和解」(商事法務ポータル、2023)、「グローバル法務 日本企業が留意すべき個人情報保護、ビジネスと人権、経済安全保障に関する各国の法規制や動向」(共著)会社法務A2Z 2024年2月号ほか多数。

 

(すずき・じゅん)


アンダーソン・毛利・友常法律事務所スペシャル・カウンセル。2004年慶應義塾大学法学部卒業。2006年立命館大学法科大学院卒業。2009年弁護士登録(第一東京弁護士会)。2015年米国ジョージ・ワシントン大学ロースクール(LL.M.)修了。2017年ニューヨーク州弁護士登録。2024年7月まで2年間、外務省総合外交政策局経済安全保障政策室において、経済安全保障推進法、外為法、重要土地等調査法、重要経済安保情報保護活用法等の設計や運用にかかる体制整備等を担当。それ以前は、日系事業会社の本社及び米国グループ会社の法務部において経済安全保障部門の立ち上げに関与した他、グループ全体の経済安全保障に関するコンプライアンス体制の整備、投資案件等の個別案件を担当。

 

(さとう・しげお)


アンダーソン・毛利・友常法律事務所アソシエイト。2014年東京大学法学部卒業。2015年弁護士登録(第二東京弁護士会)。2023年ニューヨーク大学ロースクール(LL.M. in International Business Regulation, Litigation and Arbitration)修了。2024年ニューヨーク州弁護士登録。紛争解決、個人情報・データ保護等を取り扱う。

 

アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業 https://www.amt-law.com/

<事務所概要>
アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業は、日本における本格的国際法律事務所の草分け的存在からスタートして現在に至る、総合法律事務所である。コーポレート・M&A、ファイナンス、キャピタル・マーケッツ、知的財産、労働、紛争解決、事業再生等、企業活動に関連するあらゆる分野に関して、豊富な実績を有する数多くの専門家を擁している。国内では東京、大阪、名古屋に拠点を有し、海外では北京、上海、香港、シンガポール、ハノイ、ホーチミン、バンコク、ジャカルタ等のアジア諸国およびロンドン、ブリュッセルに拠点を有する。

<連絡先>
〒100-8136 東京都千代田区大手町1-1-1 大手町パークビルディング

 


* 「アンダーソン・毛利・友常法律事務所」は、アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業および弁護士法人アンダーソン・毛利・友常法律事務所を含むグループの総称として使用

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