内閣官房、GX実現に向けたカーボンプライシング専門ワーキンググループ(第4回)を開催
アンダーソン・毛利・友常法律事務所*
弁護士 宮 川 賢 司
弁護士 香 川 遼太郎
1 はじめに
内閣官房GX実行推進室は、2024年11月22日、GX実現に向けたカーボンプライシング専門ワーキンググループ(第4回)(以下「本WG(第4回)」という。)を開催した[1]。
わが国においては、2026年度より、GXリーグにおける排出量取引制度(以下「GX-ETS」という。)のフェーズ2が本格稼働することが予定されている。GX-ETSフェーズ2は、諸外国の制度や対象企業の業種特性等を考慮した上で、脱炭素投資を促進するような制度設計が求められており、そのために経済、エネルギー、環境の各分野の専門家等の有識者や産業界からのヒアリングを通じて、本格稼働後のGX-ETSの具体的な制度設計について論点整理を行うことを目的として、本WGが設置された。
なお、現在試行的に実施されているGX-ETSのフェーズ1においては、削減目標の設定や目標達成に向けての規律の整備は、GXリーグに参画する各企業の自主性に委ねられている。他方で、フェーズ2においては、削減目標について政府指針を踏まえた目標を導入するのか、民間第三者機関による認証を導入するのか、目標達成に向けた規律に行政による指導監督や各企業が遵守すべき義務を導入すべきか等の論点も存在する。これらの論点を議論することも本WGの目的である。
本稿では、本WG(第4回)の内容について概説する。
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(みやがわ けんじ)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所スペシャル・カウンセル弁護士。1997年慶應義塾大学法学部卒業。2000年弁護士登録(第二東京弁護士会)。2004年ロンドン大学(University College London)ロースクール(LL.M.)修了。2019年から慶應義塾大学非常勤講師(Legal Presentation and Negotiation)。国内外の金融取引、不動産取引、気候変動関連法務および電子署名等のデジタルトランスフォーメーション関連法務を専門とする。
(かがわ・りょうたろう)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所アソシエイト。早稲田大学法学部卒業。2022年弁護士登録(東京弁護士会)。執筆として「非化石証書の制度と実務」(NBL2023年11月1日号)等。
アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業 https://www.amt-law.com/
<事務所概要>
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